鎌倉やああ鎌倉や鎌倉や

okatake2008-01-07

うわあ、また一年が始まった。朝から大車輪で仕事をして、いま一服。まったく、どうなることやら。昨日の晩はパソコンが真っ暗になり、一時復旧困難が見込まれたが、再起動でなんとか無事に復旧。しかし、ワードが使えなくなった。過去の原稿ファイルも開かない。とりあえずテキスト・エディットで原稿を作り、次々送る。時事通信の書評なんて、今日が締め切りとは知っていたが、明日に配信されるという。まったく余裕ないじゃん。あわてて、田村俊作編『文読む姿の西東』慶應義塾大学出版会、の書評を書いて送る。インビテーションは戸井十月植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」』小学館。そのほか、ファクスを戻したり、言い訳したり、胃が縮む思いだ。
昨日は、あんまり天気がいいので家族で鎌倉へ。まあ、そんなことをしているから、今日、苦しむのだが。銭洗い弁天は参拝というより金の亡者で押し合いへし合い。妻と娘は並んで、銭を洗いに行くが、ぼくはパス。なんで?と聞かれて、「お父さんは科学者やから、そんな非科学的なことはしない」と言うと、娘が「どこが? 古本のくせに」と言い捨てる。まあ、そうなのだが。
小町通りラッシュアワー並み。木犀堂ほか古書店を一通り回る。みんないい店だ。ただ値段が(それを言うな、といつも言ってるやろ、はいすいません)。ちょうど鞄に入れていた澁澤龍彦太陽王と月の王』に古本についてのエッセイがあって、「私の住んでいる鎌倉にも、現在では弘文堂、新生書房、中山書店と三軒ほどしか残っていないが、かつては十軒近くも古本屋があったのである」と書いている。このうち、どこも残っていないかわり、また増えた。ぼくの持っている鎌倉の古いガイドブックには、木犀堂のすぐ手前に、扶桑書房と書かれてある。あの扶桑さんかしらん。
人ごみを避け、ミスドでひと休み。由比が浜大通りをずっと歩き、長谷から江の電に乗り藤沢へ。夕暮れの江の電は乗り甲斐がある。ちょうど夕日が江ノ島のあたりに沈んで、腰越にかかると、電車が大きくカーブする。おお、まさしく黒澤明「天国と地獄」じゃないか。
藤沢で下車して夕食。「ブ」がある、と言うと、疲れたとブーたれていた娘が息をふきかえす。家族連れなので聖智文庫には寄れなかった。
しょうなんどうブックサーカスで、昭和30年代資料用に『田辺写真館が見た昭和』、『大阪・京都・神戸 私鉄駅物語』、それに自分用に蓮實重彦『魅せられて』という文芸評論集を買う。いずれも半額くらい。ここ、かなりいい古本屋だな。聖智文庫はあるし、藤沢の古本IQは高いぞ。
帰り、藤沢から高崎行き快速に乗ったが、これが横浜の次は大崎という、過激な急行。新宿湘南ライナーよりまだ早い。
川上弘美さんから年賀状をもらったのだが、「どかんの研究、楽しみにしています」などと書かれてあった。なんで、知ってるのだろう。届いた年賀状は200枚ぐらいに達した。
これからまた仕事をします。わかってます。