じゃあ、お休みなさい

okatake2007-12-17

ディック・フランシス『祝宴』を一日かけて読了。かつての、病的なまでのサディスティックな魔手や、息をのむ決定的危機、プライド喪失にさいなまれる苦悩などは、薄味になっているが、それでも職業上のプロならではの感覚、技術など、リサーチの徹底は相変わらずで、最後まで楽しく読む。「大穴』『利腕』などを星五つとすれば、三つと半分くらいだが、十分楽しんだ。なにより、80半ば過ぎて、まだ新作を発表する(息子との共同制作)気力に乾杯だ。
名古屋行きから鞄に入れていた堀江敏幸『雪沼とその周辺』新潮文庫を、あらかた読む。短編の領域で、この精密な書きっぷりは、まずは現代日本文学の最高レベルだろう。あまりにいい。これは読んで損なし。
時事通信から書評依頼あり。「文藝年鑑」から、住所等掲載依頼が。ここに載れば、いちおう、これまでみたいに、彷徨舎や工作舎や光文社に、連絡先教えろ、という迷惑がかからなくなる。
例の某県、わけのわからない読者からまたハガキ。もう出すな、と言ってあったのに。よくこれだけ人の気持ちを逆撫でできるものだ。読むと、また血圧がかああっと上がる内容。やれやれ。無視する。局止めで拒否すること、できないものか。しかしこれほど無神経、鈍感で、よく世の中渡っていけるものだ。ほんとうに心底イヤになる。
「新刊展望」「新刊ニュース」ともに一月号届く。前者は2007年の回顧3冊。ぼくはイーユン・リー『千年の祈り』、田家秀樹『いつも見ていた広島』、旧作で井上究一郎ガリマールの家』を選んだ。選ぶたびに違うのだが、一冊とならば『千年の祈り』だ。
年賀状、どうにか100枚ほど書く。過去の届いた年賀状も整理する。今日は珍しく、家から一歩も出ず。明日は青春18きっぷを使って、御殿場線に乗って来ようか、と考えている。早起きしなくちゃな。
来年4月、金沢の北陸大学で講演の依頼。しかし、金沢リブロに荒木さん(旧姓)はもういないんだ。
明日を見つめ、考えて生きていこうと思う。
じゃあ、お休みなさい。