つくし文具店

okatake2007-12-16

今日はうららか日曜日。昨夜、名古屋から帰還。青春18きっぷを使って、あちこち、なんて考えたが、とてもそんな元気は残ってなくて、すごすごと新幹線で帰ってきた。名古屋では、本山周辺の古本屋散策で、「シマウマ書房」という、意識もレベルも高い新しい古本屋さんに出会い、INAXギャラリーで「工作の時代」展を見てきた。円頓寺商店街は、海野弘によれば「パリのパッサージュを思い出させた」ということだが、数年ぶりに訪れたら、寂れ具合がいっそう進んでいた。このへんのこと、「彷書月刊」に書きますね。
さて今日は、昼、家族で食事しがてら、立川栄「ブ」へ。レイアウト替えをしていて、100円均一が大移動。林丈二『フランス歩けば』、思潮社現代詩文庫『北村太郎詩集』、『少年少女マンガ ベスト100』文春文庫、『サザエさん 第二巻』を仕入れ用と資料用に買い、スーパーで買い物をしたあと、一人、晴天の中、歩いて帰る。立川通りから緑道をくねくねと歩き、左折、西町の郵便局の手前をさらに東へ行くと神明社という傾斜にある神社があるが、その脇の坂道を行く、というコースはこっちへ越してきてから初めてで、三中の通学路になっているわけだが、ぱっと右手に、白い、工作で作った模型のような、好ましく典雅な建物が見え、ガラス越しに絵本がたくさん並んでいるのが目に入った。こんなところに、こんな店が! !!!!と目をぱちくりさせながら、「つくし文具」と書かれた看板を見て、中へ入る。すると、絵本と雑貨の店だった。レターセット(680円)を買い、レジにいる男性に渡すと、ぼくのような風体の男性客は珍しいのか、話しかけられた。こっちも挨拶してあれこれ聞くと、ここはもと実家が長年やっていた純然たる文具店で、閉めて10年ぐらいたっていたのを、男性(萩原修さん)が継いで、いまのかたちにした、という。その萩原さんのことが出てくるというので、店にあった芳賀八恵さん『本づくりのかたち』を買う。萩原さん、ハルミンさんのこともよく知っているという。なんだ。
思いがけない出会いにすっかりいい気持ちになって、帰ってから『本づくりのかたち』を読むと、萩原サンは武蔵野美術大卒のデザイナーで、住宅、日用品、家具のデザイン、展覧会などのプロデュースを手がけ、『9坪の家』の著者でもある。なあんだ、そうか。わかった、わかった。なるほど。いま、芳賀八恵さんの手がけた本の展示をやってます。お近くの方はどうぞ。
国分寺市西町2・21・7 HPはwww.tsu-ku-shi.net

周囲2キロほど、そんな素敵な店など、なあんにもない、と思っていただけに、「つくし文具店」はうれしかった。妻に聞くと、雑誌で読んで知っている、という。行ったことはないらしいが、こんど、家族で出かけてみよう。おわり。
教員養成セミナーの古本コラムは「おそ松くん」。