人が心に思うことは誰にも止められないもの

okatake2007-11-13

12日月曜は、昼前、浅草橋へ。ガード下の喫茶店で、サンデー毎日著者インタビュー、『J・C・オカザワの古き良き東京を食べる』。日曜に本が届いて、月曜日に取材、その日のうちに原稿を書くという離れ業。本は、辛口グルメガイド、といったところだが、オカザワさん(団塊の世代)のこれまでの人生の話がおもしろかった。
都営浅草線一本で宝町へ。中央公論新社を訪ねる。藤平くんと、昼飯を食べ、銀座まで歩き、伊東屋の最上階の喫茶(初めて知った)で単行本の打ち合わせ。昼食は、その朝取れたアジをフライにして定食として出す地下の店。こんな美味いアジフライは初めて。オカザワさんは知ってるかしらん。中央公論新社から出る本とは、「中央公論」にもう4年ぐらい連載している、ベストセラーを読む(途中から、昔のベストセラーと並べて読む、となった)原稿と、朝日新聞に連載した「ベストセラー快読」を収録した本。「装幀は石丸澄子さんにお願いできないかと」と藤平くん。それはもう願ったり叶ったり。ゲラを渡され、読んでみたが、もうほとんど中身は忘れている原稿なので、面白く読んだ。やはり、自分が書いた原稿なので、気が合うのだろう。それに、もう年数が過ぎているので、客観的に読める。発売は来春になる予定。
ひさりぶりに銀座をぶらぶら歩く。「木村屋」であんぱんを買おうとしたが、すごい人で、あきらめる。帰宅したら、妻がスーパーで買った6個入りあんぱんの袋があった。買わなくてよかった。あとで聞いたら、木村屋で1個買うのより6個入りの方が安いの。
13日、朝起きたら、青い色紙を貼付けたような晴天。9時起きで、30分で朝飯と支度を済ませ、きゅうきょ高尾山へ。京王「高尾山口」降りたら、山登りの中高年で駅前はラッシュ。先週、高水三山をリタイアしたので、慎重に登る。大股でガシガシ登るのは止め、なるべく膝を上げず、小刻みに高低差をクリアしていく歩き方にする。これがよかった。これまで10回以上登っている高尾山だが、次のピークの城山まで、要所の休憩所以外は、休まず2時間で行けた。空は美しく、木々は少し色づき(もみじは散っていた)、富士山はドカーンと見え、これまでベストの城山行きとなる。大満足。城山の茶店で、みかん2個100円と、なめこ汁250円を買い、下界で買った弁当を、正面に富士山を見ながら食べる。快い疲れが、宙に霧散していきそうだ。これで自信がついた。
夜、BSiで「居酒屋兆治」を見る。2回目かな。女性に怒られそうだが、これは男の身勝手の映画で、ぼくは好きなんだ。昨日見た「ギターを抱いた渡り鳥」が函館だったが、「兆治」も函館。「ギター」が函館をきれいに撮っているのに驚いた。小林旭浅丘ルリ子がロープウエイで函館山に登っていくが、この光景は、『海炭市叙景』と重なる。ぼくが登ったときは、もっと展望台が改築され、きれいになっていた。ああ、これこれ、と思う。
「兆治」では、ラスト近く加藤登紀子の「人が心に思うことは誰にも止められないわ 夢を追いかけて行ってしまう人 止められないもの」が心に沁みる。この加藤登紀子はよかった。伊丹十三の怪優ぶりも必見であります。写真は、映画を見ながら取ったノート。