心はぬくい

okatake2007-11-05

秋の日はつるべ落とし 小さくしぼむ帰り道
指がかじかむ 大きく揺れる町に投げキス
月の光見守るなか 心はぬくい
気まぐれな東風 やっとキミと話せそう
波一つたたぬ心にお前一人浮かばせて
漂い続ける
(「つるべ糸」鈴木晶子

名盤、小坂忠「ほうろう」を聞きながらの11月5日。鈴木晶子とは、あの矢野顕子。ね、いい歌だねえ。
「世田谷PT」という演劇雑誌に、工作舎の石原さんが編集に加わっていて、年に一度、原稿依頼が来る。演劇、戯曲に結びつけて本の紹介をするという、ぼくにとっては畑違いの難事業だが、これまでなんとかこなしてきた。今回は「私小説」と演技、というテーマ。しかも10枚。うーんとうなってしまうが、多少困難な仕事も、頭の筋肉を鍛えることになる。とはいえ、うんうん、うなりながら一日が過ぎていく。
身すぎ世すぎの生活を続けて来て、ときに、垂直の壁を前にしたような気分に襲われることが何度もあるが、そんなときは、これまでなんとかしてきたんだから、なんとかなるだろう、という安直かつ楽観的な気持ちに賭けることになる。
最後は、自分を信じるしかない。それと、明日の来ない日はない、ということ。心細いが、これが確実な処方箋だ。
昼飯がてら、立川「ブ」へ。「山と渓谷」BNや、文庫を数冊。高橋和巳『人間にとって』(新潮文庫)なんて珍しいが、昭和54年初版が56年で6刷になっている。純文学健在の時代だった。ビデオは、いまDVDに押され、投げ売り状態だが、そんななかでも値段の付け方に微妙な違いがあって興味深い。今日は、ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちにインタビューした「ヌーヴェル・ヴァーグ」というビデオを500円で買う。若き日のシャブロル、ドゥミ、ロジェ、トリュフォー、等々が登場するが、なんといってもゴダールがかっこいい。どんな俳優より、ゴダールの方がいかしているんだから、当時の勢いがわかる。
11月の高校同窓会は盛り上がりそうです。
てなことで、では、では(というのは、昨日登場した大場さんの口癖なのです)。