コクテイルの夜

okatake2007-10-17

昨日、教育雑誌のコラム、蟲文庫さんの『苔とあるく』について書く。午後、月一度の検診。担当医のI先生と雑談。先生の高校時代の友人のこと。女性で哲学をやっていて、パリへ渡ったが、その後どうしているか心配、とのこと。ちょうど高校の同窓会が近づいているので、ぼくもそうだなあ、と同意し、女性で哲学をしているのは売り物になりますよ、と言う。
国立「ブ」に寄り、大型本のところが値下げがされていて、いまあちこちに出回っている『アーカイブス写真集』から沖縄編を400円、芳賀書店シネアルバムフレッド・アステア』300円、芥川喜好『画家たちの四季』読売新聞社を400円。最後のは、読売新聞の美術記者で、日曜版に連載されたもの。片面に美しい印刷で絵、片面にエッセイ。このエッセイが名文として定評があり、日本記者クラブ賞をとった。装幀は間村俊一さん。大判の場合、絵は大きくて見やすいが、文庫判で手軽に読みたい気持ちもある。
あと、一箱古本市で必ず売れる金井美恵子の『タマや』河出文庫を105円。すでに来春の仕入れが始まった。同書の表題作には、カメラマンの主人公が金を作るために、古本屋に本を買い取りに来てもらうのを待つ、という話が出てくる。古本小説でもあるのだ。
夜は古本酒場コクテイルトークショー。立ち見が出る盛況だった。みなさん、どうもありがとう。筑摩から担当の豊島サン、青木さん、営業の大川くんが来てくれた。『古本病のかかり方』好調で、今回の新刊ラインナップのなかで売り上げ3位だという。1位は文庫手帳だから、これはもう売れるに決まってる。
あんまりトークの準備もせず、目の前に持ってきた資料を置いて、だらだら喋ったが、ぼくとしては、取材とエアチェックしたカセットテープを聴いてもらって、それが誰だか当ててもらう、というのが自分でもおもしろい企画だと思った。福田和也さんに始まり、江國香織さん、月の輪インタビューなんだけど、同席した坪内祐三さんが喋っている声などを聞かせる。この手のテープ、まだたくさんあり、今年12月、このテープを聴く会をコクテイルでしよう、と狩野くんに話す。「やりましょう」と狩野くん。すかさずぼくが「狩野くんのもあるよ」というと、ひっくり返っていた。
産経新聞から、赤瀬川原平『戦後腹ぺこ時代のシャッター音』岩波書店が届く。書評用。岩波写真文庫から赤瀬川さんが10冊選んで復刻、その10冊について解説した本。一時、明大アカデミーなどで岩波写真文庫の話ばかりしていたことを思い出す。