私たち家族だけの十月

オールも持たず漂いながら
やさしい人に手紙を書きたい
心も文字も少し揺れてる
グレイの影と私だけの十月
(「さざ波」荒井由実

軽井沢から帰ったら10月になっていた。家族で一泊で、車で軽井沢へ。今日は都民の日で娘の学校もお休み。というわけで、泊まったペンションは貸しきり。セゾン美術館も貸しきり。今朝、絵本美術館を訪れたがここも貸しきり状態だった。
昨日は、妻の提案で「麦小屋」という土日だけ自分の別荘を開放したブックカフェ(一部古書もある)を訪れ、ペンションに寄って、閉店ぎりぎりの「追分コロニー」に顔を出す。すると、「麦小屋」で見かけたお父さんと息子のコンビにここでも会った。しかもお父さんが「古本の本を書かれている方ですよね」と話しかけてきた。東京農大の先生ということであった。本好きが行くところは同じなんだな、と思う。
軽井沢はずっと雨。あれやこれや計画が狂う季節はずれのバカンスだった。ただし、軽井沢駅裏のアウトレットモールはものすごい人。下品な物欲が嵐のようにうずまき、それだけで疲れてしまう。やっぱり本屋、古本屋に限る。
ぼくも娘もずっと疲れてしょぼくれて、帰り、都内に戻ってきて東久留米「ブ」の看板を見つけ、娘が「ばんざーい、ばんざーい」と言った時は家内があきれてた。けっきょく、そこね、って話だ。新しいポイント制になったカードを作り、文庫をちょこちょこっと買う。なんだか疲れました。
片野ゆかさんから『ダイエットがやめられない 日本人のカラダを追跡する』(新潮社)ダイエットを巡る日本人の身体論をいただきました。
「ぐるり」10月号も出たよ。特集は三上寛さん。