新宿放浪記

夢はいつでもぬけがらなので
夕焼けの美しいときはいつも寂しいだろう
子どもよ 君は失った夢のあとに
ふと生まれた夢のように
(「子供に」岡本おさみ

TBS終えて、12時に末広亭で家族と待ち合わせしているため3時間ほど時間がある。午前中は古本屋も動いてないし。とりあえず新宿三丁目へ。そこから歩いて花園神社を左に、新宿文化センター通りを斜めに北上、途中、西向天神で手をあわせ、山吹坂を踏破。坂をチェックするのは半年ぶりぐらいか。涼しくなってきたから、また坂巡りを始めよう。ぬけ弁天からまねき通りを南下、ここは古い商店街。靖国通りを出たところ右に「ブ」があるが、まだ9時を15分過ぎたところだから開店には早い。
ちょうど目の前にバスがきて「練馬車庫行き」というのに発作的に乗る。小雨のなか、バスは江戸川橋から目白へブーメランのように向う。目白で下車。駅前「ドトール」で少し時間をつぶし、目白「ブ」、高田馬場「ブ」と散歩。ちょっとづつ買う。後者でカーサブルータス特別編集「柳宗理」450円。レギュラーの特集号は持ってたが、これはそれをバージョンアップさせたもの。知らんかったなあ。高田馬場から山手線で新宿へ戻る。新宿放浪記だ。
末広亭は一時間ほどで満席となる。8月終わりの平日、小雨のなか、どうしてこうなったか。まるで正月だ。志ん五、川柳、歌武蔵、雲助、扇橋、トリが伯楽と、なかなかのメンバー。志ん五が「真田小僧」の悪ガキを真に迫って演じ、客席を大いにわかせる。ただ寄席で落語をあまり聞いたことのない客が多いらしく、反応の悪さに川柳が苛立っていた。漫才2組はつまらねえや。俗曲の柳家紫文が、ちょいと洒落てて、よござんした。これが寄席のよさだな。太神楽の「翁家 和楽社中」は、若手が少し筑摩の青木さんに似ている。気持ちのいい舞台だった。伯楽は「井戸の茶碗」を、明朗に楽しくやって主任の役目をはたす。これでいいのだ。
家族で丸ノ内線荻窪へ出て、また「ブ」だ。肉食って帰る。
さあ、今日は仕事、仕事。