斎藤哲夫ライブ

口笛ふいてね あの歌を
あなたの香りがするわ
雨降る波間にあなたが泳いでる
(「あなたの船」渡辺勝)


編集者さんが読むと困るんで書けなかったが、昨日、南青山「曼陀羅」で、BSフォークの達人「斎藤哲夫」の収録ライブを聞きにいった。フォークの裏側に顔が聞く小田くんが席をとってくれたのだ。ありがたい、ことだ。
このライブを見るため、朝、早起きして、一気に「中央公論」古本屋特集の原稿20枚を書く。そのあと息もつかず、「中央公論」レギュラーの連載原稿を。しかし、ほかの原稿が1本、こぼれてしまった。ごめん、Hさん。
南青山へ行く前、荻窪「ささま」へ寄る。かげろうのように、自分の身体も路面で揺れている。珍しく均一では買わず、店内で、友部正人のエッセイ集『生活が好きになった』晶文社840円と、『ぼくたちのヒーロー60〜70}』525円。この友部のエッセイ集をずっと丸ノ内線、銀座線と乗り継ぎながら読んだが、なんだかいいなあ。生活がにじみでていながら生活感がない。ふわふわしながら芯がある。そんな生き方。
斎藤哲夫には「僕の古い友達」というCBS時代の名盤があり、この日歌ったなかでも、やっぱりそこから歌ったのがぼくはよかった。「さんま焼けたか」「夜空のロックンローラー」、そして最後に名曲「あなたの船」。かなり緊張しているみたいだったが、こんなに一生けんめい歌う人って、いま少ないよ。10月6日にBS2で放送されるみたい。楽しみ。
帰り、誰かと喋りたくなって(なんてところは友部ふうだ)、高円寺へ。「こうえんじー」というアナウンスを聞くと、いつも降りたくなるのだ。閉めて移転しまった高円寺センター跡を見ながら角を曲がり、コクテイルへ。入ると、おっ! 久住・澄子のてぬぐいコンビとみみかきちゃんがいる。こりゃ、いい客筋じゃない。少し飲んで帰る。
講談社社内報、PHPカラット、荷風から原稿依頼あり。


ハイウェイの風は私を
町へ町へと急がせる
あなたは私の体にしみ込んではこない
(「あなたの船」)