もう何も考えまい

ぼくは平凡な愛妻家
もう何も考えまい
愛することのわずらわしささえ
(「蒼い夏」岡本おさみ


教育誌の連載2つを書く。書肆アクセス閉店と、名セリフは映画「居酒屋兆治」の加藤登紀子のセリフ。うろ覚えだけど「人が心に思うことは誰にも止められないのよ」。この加藤登紀子がよかったねえ。
今日一日ずっと、NHkFMで、生放送でフォーク三昧という特集番組をやっていた。珍しく部屋でFMを聞く。地下室なので、FMは聞けないと思っていたのだ。アンテナを動かせばちゃんと聞けるじゃないか。しかし番組の内容は大いに不満。かかる曲が、いつでもどこでも聞ける曲ばかり。パーソナリティが、山本コータロー、トワエモア、きたやまおさむ山田パンダとB級感が漂う。目新しい話もなく、かかる曲が懐メロでイライラする。NHkアナウンサーの仕切りも、いかにも平凡、読まれる聴視者の投稿も平凡きわまるもので気持ち悪い。何を期待したのか、こういうものよ、NHkがつくるフォーク番組なんだから、と言われればそうかと思うが、つまらぬ時間を過ごしてしまった。坂崎となぎらに、構成、ゲストの人選、選曲をすべてまかすってことで、やってほしかった。


忘れていたが、蟲文庫さんからすてきなメールが届いたのだ。無断で引用する。


「いまお盆休みのまっただ中ですが、あのシモーヌ・ヴェイユ
女性がふたたびいらっしゃいました。
あれから偶然『ちくま』をご覧になったそうで、「あの方が岡崎武志
さん!」とたいそう驚かれたということ。
もし機会がありましたら、よろしくお伝えください、とのことです。
出版関係のお仕事をされているようでした。」


「あのシモーヌ・ヴェイユの女性」という表現がしびれるなあ。「ちくま」の蟲文庫の回をお読みの方はおわかりだろうが、ちょうど取材中に、若い女性客が本を買っていかれ、禁を破って、美穂さんに聞いたところ、シモーヌ・ヴェイユの本だというので、感動してしまい、つい書いてしまった。そのことについては、ぼくの読者から、「(客が買った本を)聞く方も聞く方なら、答える方も答える方だ」と厳しい批判のハガキをもらった。わかってないのはあんたの方だ、と、基本的に読者を大切にするぼくだが、この場合につき、この読者に怒り、ハガキを破り捨てた。なんという教条主義。そんな読者は願い下げ。わかっていないなあ。だって、いい話なんだから。「あのね、わかんない奴もいるさって」と中島みゆきも歌っている。
「野球小僧」編集部から届いた、阿久悠瀬戸内少年野球団』をメモ取りながら読む。
夜、家族でバーミヤンで夕食、三鷹上々堂」へそのまま追加と精算。暑かったせいか、ぼくの売り上げは低調なり。石丸くん、買い取りが多いらしく、一軒、いい買物をしていた。