すいすいと40分

早朝、TBS。中央道がすいてて、すいすいと40分で着く。前回は、渋滞でスタジオ入りがぎりぎりだったことを考えると、道路事情はまったくあてにならない。おかげで出演時間まで1時間10分もある。そのくせ、番組が押して、ぼくが作った放送原稿を見て、森本さんに「岡崎さん、これはとても、全部紹介できないですね」と釘を刺される。即座に、頭の中で3分の2ほどに刈り込むが、森本さんが珍しく突っ込んできて、結局、原稿の3分の1ほどしか喋れなかった。しかし、これでよかったのだ。時間が押して、なおも原稿を端折って喋ろうとすると、焦って、余裕のないことになる。逆に、情報を少なくして、印象だけ伝える。それがいい場合だってある。なるほどなあ。百戦錬磨の森本さんに教えられたような気がした。この仕事、もう4年以上やっているが、まだまだ難しい。
ハイヤー飯田橋ギンレイホールで、「あかね雲」「さくらん」と日本映画を2本見る。「さくらん」の映像が楽しい。青色の入れ方。椎名林檎さまの音楽がぴったりでいかしている。9時30分から見て、出る時、1時30分だったが、すでに客席がほぼ埋まっていた。ギンレイ、おそるべし。ああ、そうそう。事前にファミリーマートで弁当とお茶買って、「あかね雲」が終ったところで客席で食べたのだが、ハシが入ってない。こんなこと初めて。弁当についているかと思ったがついてない。どうしたか。おかずは手でつまみ、ごはんはペットボトルのフタで掬って食べた。ファミリーマート、覚えてろよ!
今日がちくま文庫『古本病のかかり方』初校ゲラを返す日で、しかし、昨晩、「遊歩人」の星を見上げる愉しみ、の原稿を書き、それから残りのゲラをチェックしたので、この日持ち歩いていた。飯田橋「ブ」に初見参したあと、筑摩書房を訪ね、豊島さんに直接手渡す。豊島さんと落語と戸田公園について歓談。豊島さん、かつて剣道をやっていて、小さん道場に入門すべく、家の前まで行ったことがあるという。「小さんにまず、落語で弟子入りしたほうがよかったんじゃないか」とぼく。断られても、「おれは小さんに弟子入りを志願し、断られたことがある」というだけで、話のネタになる。
朝日新聞から文庫についての取材依頼あり。
9月17日、上野での「読書の腕前」講演、対談は3人となり、つまり鼎談だが、お相手がナンダロウさんと、豊崎由美さんに決まる。いったい、どうなるか。