もちろん「あきつ」だ

午前中、集中してサンデー毎日インタビュー原稿と、きゅうきょ入った「ブルータス」旅と本特集の短い原稿を書く。旅に出たくなる本、というテーマで3冊紹介。『全国古本屋地図』と、佐藤泰志海炭市叙景』と、新刊の津軽鉄道の写真集。
いつ降り出してもおかしくない天気のなか、神保町へ。ひさしぶりに神田古書会館「書窓展」を覗く。12時くらいに参戦。やっぱり「あきつ」か。久米龍川『岡山縣人物縦横』第一巻は、昭和6年の刊で、岡山縣出身の人物を紹介。松崎天民は「我国遊蕩文学の巨壁」、江見水蔭は「明治文壇特筆すべき文豪」、鶴見佑輔は「附馬にして附馬にあらず」生駒雷遊は「上品にして落附ある説明者」といった調子。これが箱入で200円。中村武志の随筆集『著者多忙』は、昭和36年の刊で、真っ四角な判形、西原比呂志の装幀、挿絵がなんとも微笑ましく楽しい。これも200円。もちろん「あきつ」だ。
寺尾幸夫『愛は何所まで』日本小説文庫が500円、これはキヌタ。全集端本の名店、克さんから、福武書店の『阿部昭全作品1』が200円。これには全集パンフが挟み込んであった。うれしい。そのほか、婦人雑誌や学習雑誌の付録をいずれも200円、100円で。楽しいなあ。
1時から「ぶらじる」で、「ブルータス」原稿の取り上げた本渡しと顔写真撮影。
ところが、『全国古本屋地図帳』は、先に取り上げた人がいるという。ええっ、これだけは他に挙げる人はいないと思ったのに、聞いたら、吉田豪氏だ。ちくしょう。あわてて、書泉グランデで代わりに串田孫一『山のパンセ』を選ぶ。
このあと、JIPCの事務局の人と、光文社新書森岡くんと打ち合わせ。今年秋に、『読書の腕前』を持って、全国を巡業講演旅行をする。東京のほか、札幌、名古屋、大阪、福岡などを回る予定。読書推進運動の一括で、いわば読書レコンキスタだ。金沢、仙台へも行きたいと希望を述べておく。くわしく決まったら告知します。参加費は1000円くらいの予定。長島書店店頭均一で「ユリイカ野坂昭如特集を400円。
夜、家族でわりあい近くにできたお好み焼き店へ。けっこううまかった。