いろいろあった

いやあ、この数日、なにがなんだかわからないまま過ぎて、今日はぼーっとしてました。
いろんな人に会って、いろんなところへ出掛けて、いろんなことがあったなあ、って、それじゃあ馬鹿だ。
オオタスセリ『デカい女』(幻冬舎)ってエッセイ集がおもしろそうですぜ。著者は女性で176センチある元コント芸人で、さいきん、コミックソングみたいなのをピンで歌っている。永六輔にテレビで紹介されて歌っているのを見たが、はっきり言って笑えなかったな。彼女、小6のときすでに161センチあって、靴が24・5センチってぼやいているが、じつはウチの娘は、小6でそれより大きい。靴なんか26センチで、ぼくが26・5だから、ときどき玄関で履き間違えてしまうくらいだ。どうなるかね、いったい。
14日は、朝、TBSを終え、いったん家に戻り仮眠を取る。また出ていって、早稲田で『「洋酒天国」とその時代』の著者、小玉武さんにインタビューし、演劇博物館で、古川ロッパ展を見て、早稲田の古本屋をそぞろ歩き、「古書現世」を覗いたら、目を疑うような女性が店番してた。石田千さんだ! そのヨコで本棚に隠れて、向井くんが本を縛っていて、えっ、もしかして、そういうことになったの? と思ったが、べつにそういうことではないらしい。しかし、似合ってましたよ、石田さん。目の前で試しに、一冊、万引きしてやったが、二人は気づかなかったので、叱る。だめじゃないか、と。シャツの裏に隠したのは川島なお美のエッセイ集だったが。
その夜はコクテイルで「ゲーテ」の編集者と打ち合わせ。
15日は朝から五反田。この日ぐらいから、やっぱり火傷した舌が痛みだして、うまく喋れない。ごちゃごちゃ、しこたま買って、会場で「学研」の中村くんと待ち合わせ、デニーズに移動して打ち合わせ。いよいよ、本格的に企画が通り、書き下ろしの始動。新書でも単行本でもと言われたが、新書でやろうと提案。テーマは、ぼくのサブカルチャー受容史を、本を一冊ずつ紹介しながら、コラムふうに書いていき、昭和50年までをたどるというもの。
この夜、またコクテイルで人と会うことになっていて、一度、家に帰ろうと思ったが、雨も降り出して気力が失せる。飯田橋へ移動し、ギンレイホールで「フラガール」と「武士の一分」がかかっていることを知り、行く。この手の名画座だから、3、4分の入りかと思ったら、とんでもない。ほぼ満席だ。まるで日本映画黄金時代の風景。映画はどちらもおもしろかったが、ぼくは「武士の一分」を買う。映像がきれいだし、ムダな絵がない。やっぱり山田洋次はすごいよ。みんな、そう思ってないだろう? バカだなあ。
フラガール」はよくできているのは認めるし、蒼井優の魅力が満喫できて文句なし、と言いたいところだが、ちょっと驚きが欲しかった。そうなるだろうという予定調和がこれでもか、と続いたのが惜しい。いや、「武士の一分」にだって、そういうところがあるけどね。
出る時、6時ぐらいだったが、ドアの外、表の方まで次の回を見るための行列ができていた。まるで日本映画黄金(以下同文)。へえ、と驚きました。ギンレイはまた来よう。一万円払って会員になれば、一年、見放題というのもいい。
夜、コクテイルで、澄ちゃん、魚雷くんに、ゲストとしてサントリーで「ウイスキーボイス」という素敵な雑誌を作っている川畑くんを迎え、飲む。ぼく、そろそろ舌が痛みだして、ちょっと失礼したかもしれない。川畑くんとは、早くに父親を亡くしたこと、その後、いろいろ紆余曲折を経ていること、岡山に地縁があることなど共通点多し。
あれこれ、ちょっと疲れました。やっぱり年ですなあ。今日、23日は、ヒッチコック「暗殺者の家」をDVDで見て、夜は上々堂へ補充と精算。先月、がんばって補充したので、今月はここんところではいい売り上げ。舌の痛みは最高潮。ほとんど口をきかず。口をきかないでも、一緒に時間が過ごせるのが、家族のいちばんいいところじゃないかしらん。