「夢見る約束」と「幾夜寝覚」

16日(土)快晴。学習院生涯学習センター講座最終日。90分喋るのにはそれなりの準備がいり、当日も半日がつぶれる。90分が終ると、奈落の底へ落ちていきそうな疲労が。高田馬場まで歩き、「ブ」を覗き、ジャズ喫茶「マイルストーン」ヘ。この日は、けっこうお客さんが来て、席が埋まる。ファラオ・サンダースが情感たっぷりにバラード曲を吹いたのと、森山威男のグループのドガシャガなドラムが迫力満点のCDがかかる。いいなあ。
「ささま」へ寄り、105円8冊と、店内で、井上究一郎を二冊発見。小沢書店から出た訳詩集『シテールへの旅』1575円と、『幾夜寝覚』新潮社が1050円。所持金が少なかったので一冊だけ、前者を買う。「ささま」はすごいや。すっかりいい気分になって、車内で『シテールへの旅』を読みながら帰宅。ああ、いい気分だ。
海ねこさんも日誌に書いてますが、「僕たちの音楽」だっけ、深夜の音楽番組を途中から見たら、UAが細野晴臣のギターで歌っている。これが、なんともいい曲なの。細野さんの作詞、作曲の「夢見る約束」というんだけど、海ねこ夫さんの話だと、戸川純がカヴァーしてる。検索をかけると「極東慰安唱歌」という、いかにもな、よさげな、CDになっているが、これがアマゾンで5000円以上ついている。ううむ。
17日(日)午前中、教育誌のコラム、「人はいつから大人になるのか」という朝日の記事を取り上げて書く。午後、娘と西荻へ。昨日、学習院の講座で、生徒さんの一人から、『読書の腕前』6冊にサイン、イラストを求められたが、そのイラストが女性作家6名、指定されていて、森絵都よしもとばなな、など描いたことない、難問がある。これには困りに困った。一枚の写真から描くと、ぜったい似てないのだ。なんとか描いたが、似てない。イヤになる。以後、描いたことのない作家を指定、というのは断ることにしよう。
この6冊を「音羽館」へ預け、昼市を初めて覗く。あんなに狭い路地に、よくこれだけ人が集まったな、というぐらい、路上では古本を売り、各店ではすでに酔っぱらいたちが気勢を挙げている。上海の裏町に迷いこんだような気分。にわとり文庫さんから、雑誌「少年」付録の「鉄腕アトム電子パンチャー」というオモチャ500円、「学習」付録の「お話ブック」300円を買う。娘がいるので、酒も飲まず退散。
帰り、やっぱりどうしても気になって、娘を荻窪「ブ」へ放り込んで、「ささま」へ。井上究一郎『幾夜寝覚』を買う。我慢できないのだ。子どもなのだ。娘を引き取り、駅前の西友でアイスクリーム。地下の食品フロアの肉屋で、まんまるのコロッケを5個買う。路上で娘と一つずつ食べたが、これがじゃがいもがごろごろ入っていて、おいしかった。
国立「ディスクユニオン」で西岡恭蔵大塚まさじが、83年に六本木ピットインでやったライブを買う。「ハーフムーンにラブコラージュ」。