高田馬場のお楽しみ

昨日とは一転、涼しい日に。カッコウが鳴いている。まるで高原の朝、なり。
朝から「ちくま」連載、海ねこさんの原稿にかかる。スタイルを決めずに書いているので、毎回、初めて、というつもりで書いている。
夕方、仮眠。時事通信社から出久根達郎さんの新刊、『作家の値段』(講談社)が届く。書評用。古本屋から見た作家論で、しかも古書価を中心に語る。これはおもしろいに決まっている。
夜7時から、上京している蟲文庫さんを囲む会に参加。電車内では、2000年に出た、レイモンド・カーヴァー『必要になったら電話をかけて』を読む。死後に見つかった未発表原稿をまとめたもの。一番初めの「薪割り」がいきなりおもしろい。
少し早く出たので、高田馬場「ブ」の小さい方へ。ここはフランチャイズながら、マニュアルによらぬ値段付けをしている。特選本コーナーは見どころ多し。桑原甲子雄『私の写真史』晶文社を650円で。定価以下で買える本ではないのだ。槌田満文『東京文学地図』は都市出版社の刊で300円。持ってるから買わなかったけど、海野弘『モダンシティふたたび 1920年代の大阪へ』が半額であったよ。これもまあ、見ることがない本だ。欲しい人はどうぞ。
この二冊を持って、ジャズ喫茶「マイルストーン」へ。最近、古本を置いて売っていると聞いたのだ。以前、訪れた時は、たしか普通のジャズ喫茶だった。壁一面にジャズ、音楽、映画の本を中心に、いい本が並んでいる。値段はそこそこついているけど。本を見ながらジャズを聞くのは最高。ちょうど、ECMのTシャツを着てきたし。マイルスの「リラクシン」がかかる。ここはいいや。また来よう。楽しみが増えた。あ、楽しみと言えば、高田馬場駅裏には「王将」があったんだ。時々、「王将」の餃子が食べたくなる。これも、またの楽しみにしておこう。
ビッグボックス最上階レストランで、蟲文庫さんを囲む。向井くんが発起人で、わめぞ民が集結する。蟲文庫さん、苔の本が秋の発売めざし、制作が進んでいるとのこと。気心知れたメンバーで楽しく2時間を過ごし、腹ごなしに今度は大きい方の「ブ」へ。久世光彦『花迷宮』105円、旅ネコカネコから、「岡崎さん、これどうですか」と言われ、吉田拓郎『もういらない』300円を買う。みんなはこの後、2次会に流れたが、ぼくはお先に失礼する。涼しい夜風が気持ちいい。