「新刊展望」グラビア

インビテ−ション書評のため、最相葉月星新一』を一気読み。500ページ以上ある長篇の評伝。ショートショート1001編(ほんとはもっとある)に賭けた作家人生で、失うものも多かった。何編か、数十年ぶりに星新一ショートショートを読む。
BS週刊ブックレビューのほかの出演者の推薦本が届く。南伸坊さんが秋山祐徳太子『ブリキ男』、山崎ナオコーラさんがフィリップ・クローデル『子どもたちのいない世界』、どちらも読みやすそうな本でよかった。
北尾トロさんから『裁判長! これで執行猶予は甘くないすか』文藝春秋片野ゆかさんから『アジワン ゆるりアジアで犬に会う』ジュリアンを寄贈される。
辻原登円朝芝居噺夫婦幽霊』講談社は、サンデー毎日の1ページ書評用なり。
文学賞下読みも追い込み。ようやくAクラスを2編確保し、なんとか乗りきれそう。
「新刊展望」5月号が3冊届く。「創作の現場」という中とじのカラーグラビアに、ぼくが登場している。壮絶な書庫の一角が写真で出ています。その二つ前のページが森見登見彦さん。いま旬の人です。
来週もスケジュール表が真黒になってしまった。息をつめて、泳ぎきること。
と、言いながら、風呂から上がって、酒をかっくらって、テレビで市川準『つぐみ』を見てしまった。2度目だが、ほとんど忘れていたな。これは、いい映画。あがた森魚財津和夫高橋源一郎が出てんのな。牧瀬里穂は、これに出たことでずいぶん得をした。あとが苦しくなったほどだ。それぐらい強烈だった。しかし、真田弘之だけが、ちょっと変だったなあ。そこだけ、ほかのページから切り取って、貼付けたみたいだった。中嶋朋子のお母さん役が、たぶん素人の人で、見たこともない。どういう人か。
舞台となった海沿いの町「松崎」はどこかと思ったら、伊豆半島の西側で、フェリーか車でないと行けないところ。しかし、この町の風情はよかったな。風が通る町。無性に、無性に行きたくなる。それだけで見る価値ありだ。
しかしすぐには行けない。せめてラストに登場する、われらが高円寺の「4丁目カフェ」へでも出かけるか。
市川監督にはインタビューしたことある。「あなた、おもしろい人ですねえ」と言われたのが、私としては快感だった。