戸田公園、サイン魔、荒川洋治さん

長い一日。彷書月刊連載取材がまだで、かねてから目論んでいた、戸田公園再訪を試みる。1990年春、上京して2年間住んだ町。ここに「倉田書店」という古本屋がある。埼京線に乗り、戸田公園へ下りたのは15年ぶり。甘酸っぱい気持ちになる。このこと、彷書月刊に書きます。
急いで竹橋まで戻り、サンデー毎日の仕事。終えて、外へ出ると空は異様な色で、雷が鳴り、ぽつぽつ雨が落ちてきた。小走に書肆アクセスへ。入ったとたん、どしゃんと雨が降ってきた。ギリギリセーフ。畠中さんとぶらじるへ移動、『読書の腕前』にサイン、イラストを入れる。何人か、御希望の絵柄指定があり、それにも応える。
今夜は、赤坂でTBSラジオの宴会があるが、それまでまだ時間がある。東京堂へ寄り、残った『読書の腕前』50冊ほどにサイン、イラスト。「前の50冊はすぐ売れちゃったんですよ」と佐野店長。今回の分を売り切れば、東京堂では150冊を売ったことになる。最後、さすがに手元が乱れる。乱れたのが当たった方、お許しください。
三省堂新書売場へも寄ってみる。前にサインを入れたのがどうなってるか。ちょうど売場にkくんがいて、声をかけると、「全部売れて、まだないのかとお客さんに言われて」というので、急きょ15冊にサイン。15冊ぐらいなら余裕、だ。サイン魔と化す。
よたよたと赤坂へ移動。雨は上がっていた。246にある交差点を渡ると、前から、眉をしかめて口を半開きにしたあの顔が。(あ、岡田や!)と心で叫ぶ。阪神、岡田監督を至近で目撃。その直後、TBSのスタッフの一団と合流したとき、そのことを言うと、「ああ、赤プリに泊ってるんですよ」と教えられる。
TBS宴会は赤坂料亭で。出演者スタッフ40名以上が集まる。テレビでよく見るあの顔、この顔も。ぼくは荒川洋治さんの隣に座って、ずっと荒川さんと喋る。ほんと、TBSの宴会でしか、お目にかからなくなってしまったから、貴重な時間。
帰宅ハイヤーも同じ方向の荒川さんと一緒に、「岡崎君もなんにもないところから始めて、よくがんばったよなあ。すごいと思うよ」のお言葉に、今日、上京した時住んだ町のことを含め、深く深く、心にじわっと暖かいものが染み込んでいく。
国立駅前から続く大学通りの桜はもう散り始めているが、それでも美しい。