関西『読書の腕前』ツアー

今朝、京都の実家を発ち、帰宅。実家近くからバスに乗ったのが9時45分くらいで、午後1時前には自宅に着いていた。これは最短時間のレコードかもしれない。
31日海文堂でのトークショーは大勢の方に集まっていただいてなごやかに終えることができました。1時間半喋ると言って、ちょうど1時間半で終えた。あらためて、参加していただいた方々と、海文堂の福岡店長はじめ、田中さん、平野さんにもお礼を申し上げます。
2次会で行った、阪神電車地下の通路のような両側にある飲み屋街が、タイムスリップしたような雰囲気の場所で、たいそう興味深かった。高齢者の飲んだくれの巣窟で、カラオケでは演歌オンリー。聞いたこともない歌手の歌が飛び交うなか、晩酒亭さんが、千の風になって、を朗々と正調で歌い上げ、店にいた全員から喝采を浴びる。開いていたドアから漏れたのか、外を歩いていた人まで乱入して聞き惚れた、というぐらいの歌唱だった。福岡店長はどんな曲でも踊りまくり、もと海文堂書店にいたMさんが、ブエナビスタ・ソシアルクラブという風情の人で、渋くきめる。なんともすごい異空間が生まれた。ここで海野弘さんが、アカペラでロシアの歌をうたったとは。
神戸は学会があるとかで、5、6軒のホテルに満杯と断られ、田中さんが探してくれた、トアロードのプチホテルに投宿。
1日、京都へ移動。京都はまだ桜が二分、三分咲き。京都駅はそれでも観光客が押し寄せ、バス、タクシー乗り場に長蛇、長蛇の列。七条まで歩き、京阪で三条まで行く。俵屋の石鹸を買ったり、風月でお好み焼きを食べたりしながら、寺町を北上、尚学堂店頭に古本界のアンガールズ、北村くんを発見。昨夜、1次会、2次会とつきあってくれて別れたばかり。
寺町二条で右折、林万昌堂で甘栗を2パック買う。いつも善行がうちに来るときお土産に持ってきてくれる甘栗で、たいそう旨い。今度は、善行邸と、娘へのお土産に買う。
ところが、このあと乗ったタクシーに、俵屋の石鹸、甘栗含め、あれこれ詰めた紙袋を置き忘れる。真っ青になるが、領収書をもらっていたため、タクシー会社に連絡し、ことなきを得る。無事戻ってきた。ほんとうに置き忘れ魔人と化してしまった。
善行邸でトークイベントの打ち合わせ。歌も歌おうと、ギターで練習していたら、山本家の長男、Sくんが、珍しそうに見ている。
ガケ書房では一角を借り、出入り自由の、客席なしの、大道芸のようなトークをする。善行が用意したオークションの本はすべてはけたが、ぼくの西川のりお本も、それにプレゼント用に用意した色紙も、似顔絵入りカップ、小皿もタダだというのに人気なし。あやうく、持ち帰りという屈辱を免れたのは、海文堂にも来てくれた、ドラマに出てきそうな眉目秀麗な若い古本兄妹の妹さんが手を上げてくれたからだ。いっさいがっさい、彼女にもらってもらう。この古本兄妹、兄が古本の師で、兄妹して古本屋を回っているという。小説に書きたいようなコンビだった。
とにかく、すべて終えて、力が抜けた。さすがに疲れた。神戸、京都とまわりながら、何も見ず、古本も買わない(あ、「ブ」へはちょっと寄った)旅だった。4月に入って、また前半、スケジュールは加熱気味。あーあ、っと。