ほんだらけ、牧野富太郎、池長孟

昼前、家内をナビゲーターに、キューブを駆って東狭山が丘へ。ここに180坪の「ほんだらけ」がある。北尾トロさんに、「岡崎さん、ブックオフよりほんだらけ、ですよ!」と力説されていた。先に、近くのイタリアレストランで食事をし、いざ本陣へ。このあたり、狭山丘陵を開いた、幹線道路沿いのおなじみの光景。つまりファミレス、コンビニ、大型ショップなどが立ち並ぶ。そのなかに、外見は大きな倉庫のような「ほんだらけ」がある。ちょっと岡山の万歩を思い出す。高い天井は吹き抜けで、壁沿いに二階に回廊があり、そこにも本がある。文庫だけでも相当数あり、期待したが、結果はダメだった。ぼくにとって、何の旨味もない新古書店で、せめて値段が安ければけっこう拾えたろうが、例えば、文庫は定価の6割で、しかも旧定価の200円、300円と安いものは、ほとんど値を引いていない。「いとう」なら、これが100円などになる。
ただ本が多く、しかも雑本は少なく、おいしいところは抜かれてあるのか、見どころはほとんどない、といっていい。トロさんはプロだから、たぶん、販売用として、抜ける本があったのだろうが、ぼくはたぶん、二度と訪れることはないだろう。徒労に終った。
児童書の棚から、1979年のまだスズキコージが鈴木康司と名乗っていたころに絵を描いた『ほらふき男しゃくのぼうけん』集英社をお土産に200円で買う。
このあと、わりあい近くにある「ブ」2軒を回り、ちょこちょこと慰めに買う。このところ、よく買っているのが、子どもの伝記全集で、今日は『牧野富太郎』を買う。
牧野が困窮極まって、ついに植物標本30万点を手放す決意をしたとき、それを当時3万円(たぶんいまの6000万円以上)を出して、ポンと買ったのが神戸の富豪、池長孟。当時まだ20歳の学生だった。そこを読んで、あ、そうだったのか、と思う。間島一雄書店さんに、神戸の陳書会の話を聞いたときに出てきた名前だった。「南蛮美術の研究家で、知りませんか?」と言われたが、ぼくは知らなかった。ほんとうに、なんにも知らない男で恥ずかしい。牧野の自叙伝は講談社学術文庫、評伝は平凡社ライブラリーに入っている。いつか、読もう。たぶん、池長のことも出てくるだろう。
白石から、「つま恋」の生放送と、総集編を録画したDVDが送られてくる。手間をかけてもうしわけない。さっそく生放送分を見る。えっ、また見るの? って感じだが、もう、今年はほとんど、「つま恋」で暮れていきそうだ。