「寝床」で教わった方法

連休最後の日。明け方まで「珈琲時光」を観たので、遅い目覚め。トースト2枚の朝食。佐伯泰英さんにインタビュー原稿、ファクスする。加藤千晶さん、聞く。このところ、毎日聴いているな。中学生が恋するみたいに。
午後、娘と自転車で恋が窪へ。駐輪所に自転車を置いて、所沢「彩の国古本まつり」。家内が仕事で留守なので、昼飯食べがてら外出するのに、「古本まつりへ行くか」と聞くと、娘はすぐ「行く」と答える。小さいころから「古本道養成ギプス」をはめさせているので、話は早いや。途中、初めて入る中華店でぼくはタンメン、娘はワンタンメン、そしてギョーザ。ちょっと塩辛いがうまかった。娘の採点では、5点満点で3・5か4だそうだ。「5点は吉祥寺の大村」か、と聞くと、「ひょっとして松葉かも」という。松葉とは、「まんが道」に出てくる、トキワ荘の漫画家たち御用達のラーメン屋。今度、食べに行こうと、話をしていたのだ。まだ、食べていないのに、期待に胸がふくらむらしい。
所沢までの車中、漱石彼岸過迄』を読みつぐ。「珈琲時光」は電車の映画だったが、これも主人公がしょっちゅう市電に乗る。電車小説だ。
彩の国では、まず大江の『キルプの軍団』だけを探す。すぐ見つかった。同時代ライブラリー、210円。珍しくはないが、すぐには見つかりそうにない本(文庫)を探すとき、この古本まつりは便利だ。杉本秀太郎『文学演技』筑摩書房315円。吉田拓郎『俺だけダルセーニョ』集英社315円、同姓のよしみで岡崎友紀『明日のスケッチ』105円など。
気力衰え、沈滞期。ただ頭を下げてやりすごすこと。これは落語「寝床」で教わった方法なり。