阿佐ヶ谷から阿佐ヶ谷へ

午前中、昨夜書き上げた「東京人」原稿、手直しして送稿。12時に阿佐ヶ谷でナンダロウさん、カメラの田村さん、某社Yさんと待ち合わせ。写真を取りながら、阿佐ヶ谷、荻窪の文学散歩をする。阿佐ヶ谷本のなかに入る予定。
3時間歩き回り、収穫があった。
河北病院から阿佐ヶ谷駅へ行く途中、川村書店の前を通ったら、ちょうど開店の準備中。川村さんが表で、客と立ち話している。均一台から柴田錬三郎の現代風俗小説『銀座の沙漠』講談社小原流家元のお嬢さんという小原稚子『稚子・日本をあるく』主婦の友社が、まじめな本だが、40年以上たつと、ちょっとおバカな乙女本の風情。川村さんに値段を聞くと、いま客が持ってきたばかりで値をつけていないという。じゃあ、ダメですか、というと、いいという。2冊とも200円の値を告げられる。目の前で客が売ったばかりの本を買う、それも目の前で値がつけられるというのが新鮮な体験。お金を払ってから、じつは、昨日電話でお話をうかがった者です、と名乗る。ほんと、さっき川村さんも出てくる原稿を送稿したばかりなのだ。
駅前の喫茶「プチ」でお茶をして、解散。このまま帰るのもつまらない。西荻で下車。「音羽館」の均一だけ覗いて帰ろうと思う。店につくと、広瀬夫人が、若い女性と店から出てくる。三浦しをんさん、だ。広瀬夫人と三浦さんのことも、さっき送稿した原稿に出てくる。なんだか、原稿に書いた人が、次々と目の前に現れるのに驚く。今日、阿佐ヶ谷散歩の途中にも、これはぼくがらみではないが、サプライズがあった。サプライズデイなり。
週刊新潮」今週号、一日早くYさんから受取る。私の京都、グラビアの4回目。これが最後。田村さんの写真はしかし、いいなあ。
家に帰って、家族に「週刊新潮」グラビアを自慢して見せると、娘が「よかったなあ、これでまた(原稿が)書けるやん」という。なに、それ?