清水靖晃「北京の秋」は名盤ですよ

27日(日)4時、ルネ小平で佐渡裕シエナ・ウインド・オーケストラ公演を家族で聞きにいく。大ホールで席は後ろのほうだったが、舞台は近く、前の客の頭も気にならない。音の響きもよく、これはいいホールだな。シエナ・ウインドは吹奏楽のオーケストラ。ぼくの隣の席の中学生ぐらいの男子は楽器を持っていた。佐渡のコンサートでは、最後に楽器を持参した客を舞台に上げて、一緒に演奏するのだった。始終笑いがもれ、おざなりでない拍手が何度も湧いたコンサートだった。これは佐渡のキャラクター。
かつて、大阪で会員制同人誌をやっていたとき、会員の一人にクラシックをやっている女性がいて、「佐渡くんという指揮者がいて、将来ぜったい有名になる。小沢(征爾)さんみたいになる人やから、いっぺんインタビューしない」と言っていた。時間が合わず、彼は外国へ旅立っていったのだが、ほんとうにその後、そのとおりになった。
夜、パトリス・ル・コント「列車に乗った男」見る。けっして出会いそうにない男二人が出会い、水と油のような性格ながらやがて心を通じ合い、最後は二人とも死ぬ。短編小説の味わい。
28日(月)やっと今朝、「ちくま」で始まる連載、女性古書店主列伝の第一回を書く。準備していた原稿があって、それは30枚近い原稿で未完成。それを半分以下に削って、新たに少し付け足した。これが最初から書くのと同じくらい難しかった。しかし、一回目を書けば、それがフォーマットになる。火星の庭海月書林蟲文庫八重洲古書会館には取材済み。しかし、取材して相当時間がたっているので、少々不安。再取材の必要あるかも。
午後、京都精華大学情報館が出している雑誌「KINO」の編集者が取材に来る。京都本のガイド。一時間ばかり喋る。くたくたになる。性急に、喋るのがよくない。細川俊之のナレーションでいくべし。
夕食後、国立へ散歩。ディスクユニオンで、清水靖晃「北京の秋」と、デクスター・ゴードンの初期の録音4枚組を買う。「北京の秋」はタイトルでわかるとおり、ボリス・ヴィアンへのオマージュ。ストリングスをバックに、清水がロマネスクなサックスを吹く。これ、名盤。LPを持っていて、一時、毎日のように聞いたものだ。
ゴダールの未見DVD「はなればなれに」をやっと観る。オバカな三人組の愚行を、例によって才気ある会話と映像感覚で描き、楽しめた。
ほか、あれこれ書き出すときりがない。なんとかやってますんで、そこんとこよろしくお願いします。