野呂邦暢の「野呂」とは?

えっ、もう8月。夏休みの小学生なら、まだまだと宿題を先延ばしするところだろうが、じつはずっと先延ばししている仕事があり、あまりに先延ばししすぎて糸が切れたような気分。なんとかまた糸をつないで走り出さねばならない。
サンデー毎日」コラムに山村修さんのことを書いた掲載号が送られる。「ちくま」8月号にはその山村さんが「入門書こそは究極のよみもの」という一文を書いている。
「大阪人」最新号(9月号)は前号に引き続き古本特集。今月は紙もの、一枚もの。アイドル写真集の専門店で登場する「千賀書房」は千林にある古本屋。山本とも一緒に何度か訪れたことがある。いまはどうだかわからないが、20年前にはけっこう文芸書も揃っていたのだ。たしかにやわらかものも一杯あったが。店主の奥野明さんが写っているが、そうか、1957年生まれで同い年か。「なにか、おもしろいもん、お探しですか」と満面の笑みで語りかけられたのを思い出す。諫早の西村房子さんから「季刊 諫早通信9号」拝受。野呂邦暢顕彰委員会発行。西村さんは諫早高校で野呂の先輩にあたり、死後も文藝春秋社から『作品集』が出るのに大きな力のあった人。「通信」は、野呂の生前の肖像を伝える貴重な証言が複数掲載されている。野呂の詩やエッセイの採録もあり。「『ボロ家の春秋』から」というエッセイを読んで驚く。この梅崎春生の小説の冒頭が、「野呂旅人という名の男がいます。」。野呂の本名は納所。ペンネームはこの登場人物から取ったというのだ。知らなかった。