国歌「遠い世界に」を上野で合唱

それにしても7月も終りか。ちょっと早過ぎるような。
涼しい朝に自然に目が覚めた。トマトジュースは30缶入りの箱を買ったのだが、あと数本。「血」を飲んでいる気分だ。
昨日、知人からもらったチケットで、上野不忍池水上音楽堂でのフォークコンサートへ行く。不忍池の周りには露店がたくさん出ていた。4時30分開場の1時間前に行ったらすでに行列ができていて(全自由席)、50番目くらいに並ぶ。ちょうど入口脇が人工的な滝と池のある場所で、水が落ちるたびに涼しい空気が流れてくる。
この日の出演は、斎藤哲夫、シモンズ、中川五郎なぎら健壱遠藤賢司五つの赤い風船。早くに入れたので、席は正面の二列目といい場所に思えたが、じつは最悪だった。前の最前列をおばはんが場所取りしていて、後で現れた5人の汚いじじいが、アルコール持ち込み禁止なのに、パカパカ缶チューハイを開け始め、大きな声でしゃべくってる。フォークなんてまるで興味がないのだ。出演者のMCでわかったのだが、上野松坂屋で3000円買物した人に入場券が渡されるらしい。
酒臭いは、うるさいは、おまけにぼくの目の前のおっさん(彼だけ無帽)、西瓜ぐらいの大きな頭を酔っぱらってゆらゆらさせている。何度かかち割ってやろうかと思う。
まあ、それはそれとして。この日の出演では、中川五郎さんが、あとで西岡たかしに、「なんか、よほどもやもやしたものがあるの」と聞かれたぐらい、はじけまくって歌ったのが印象的。あと遠藤賢司はパンクというより前衛。隣の家族づれの小学生男子はずっと耳をふさいで「早く終わってくれえ」と身体を前に倒していた。ぼくは生まのエンケンは初めてなので、なんか、いいもの見たなあ、という感想。
なぎら健壱は「北の国ではもう、人質を暖炉で燃やし始めてるらしい」とかえ歌で受けまくる。そして最後は五つの赤い風船。もはやフォーク界の北島三郎ともいうべき貫禄のある西岡たかし。「恋は風に乗って」「まぼろしの翼とともに」など、いい楽曲が続く。そしてラストはもちろん、あれ。われわれの世代で、「もうこれができたらいつ死んでもいい幸福」とも呼べる、西岡たかしの歌詞指導による「遠い世界に」合唱が果たせた。もうこれは「国歌」ですね。
そのまま帰りたくなくて、高円寺で途中下車、「コクテイル」で少し飲んでいく。