雨の日のバスは雨とバスの匂い

9日、雨。仕事いくつかかたづけて外出。駅まではバス。雨の日のバスは、車内に雨とバスの匂いがたちこめる。小さいとき嗅いだのと同じ匂いだ。
神保町へ出て、古書会館「城南展」を周遊。いくつか買ってもいいかな、と思う本もあったが、けっきょく手ぶらで出る。QBで散髪。
3時半から「日刊ゲンダイ」の取材を受けるので、「ぶらじる」へ。奥の禁煙ルームへ行くと、右文の青柳さん、それに堀切直人さんがいる。堀切さんと挨拶するのは、これが初めて。もう一人は河出の編集者Aさん。ある企画の打ち合わせをしているところ。堀切さんにAさん紹介される。場に割り込んで堀切さんと少し話をする。「花月園」に、堀切さんは幼いころ、遊びに行ったことがある、というのだ。ええっ、と驚く。堀切さんも花月園には関心をもっているらしく、本を作りたいという。一度、ゆっくり花月園の話を、と言っていると、別の席で待機していた日刊ゲンダイのライター(女性)がやってきて取材を受ける。「まだ読まない、これから読みたい本」というようなテーマ。新潮文庫の海外文学の話をする。しかし、「本を読むきっかけは」とか「この本にまつわる女性の思い出」など聞かれてとまどう質問がけっこうあったなあ。読書にきっかけがいる、なんて初めて知った。
続いて、光文社新書森岡くんと打ち合わせ。停滞している読書論の原稿、分量はもうじゅうぶんあるのだが、一冊にまとめるとき、流れを作りたいという。こまぎれに書いたからなあ。一度、読み直し、構成を考えることに。秋には出したいという。
ぶらじる、から地上へ出ると雨は上がっていた。タテキンで昭和13年、神奈川高等女学校発行、非売品、田尾正子『留学四年 米国の印象』という海外渡航ものを買う。
6時に神田須田町へ移動。もと中央公論社の編集者だった宮田毬栄さんに話をうかがう、ということで編集者に席を設けてもらう。いろんな話をうかがえて楽しかった。
なんとか家までたどりついたら、日付けは変わっていた。