岡崎武志を裸にする50の質問

土曜日は雨で娘の運動会が流れる。可哀想だった。土日、近辺の「ブ」で、均一セールをやっているようだが、動かない。夜、山本善行に電話。例のごとくあれこれ、話す。途中、何の話だったか、お互いに「富士正晴」の名前が出てこなくなり、「あれやろ」「茨木の、隠とん者」「バイキングや」「そうそう、もう少し」と、認知症の老人のような会話。ちょうど手元に滝田ゆう名作劇場講談社漫画文庫があり、そこにたしか、その人の原作の漫画があるはずだと、繰って「富士正晴な」とぼくの方が先んじて答える。しかし、じつはカンニングしたのだった。
今日は、某文学賞の下読み、候補最終作を読む。驚くべき年齢の驚くべき作品に出会う。まあ、今回はこれかな、と思う。
午後、2時過ぎに家を出る。最終目的地は高円寺「コクテイル」。トークライブの最終日。まず吉祥寺下車。「ブ」を漁っていると、見知った顔。教員カップルの女性の方。「今日は一人?」と聞くと、そんなわけはない。ちゃんと片割れも来てました。「君らはほかに行くとこないんかい」と、そのままこっちに跳ね返るセリフを吐く。朝日新聞読書欄で木田元小林秀雄のことを書いていて、たまたまカバンに角川文庫、小林秀雄「私の人生観」を入れて、車中よんできていたので、中央公論社「日本の文学」の小林秀雄の巻を105円で買う。
ここから歩いて西荻へ。高架下を歩くのがけっこう好きなんだ。西荻音羽館」均一で、児童書ばかり5冊と、竹西寛子『日本の文章』筑摩を買う。「興居島屋」へ移動。荷物をあずかってもらい、用意してきた入湯グッズを持ち、近くの銭湯へ。神社のような、昔ながらの外観を持つ。湯舟で足を伸ばしていると、隣りのおじいさんが、さっきからずっと喋っている。隣りの浴槽の知り合いに喋っているのかと思ったら、違った。誰とはなしに、自分の意見をまき散らしているだけだった。テーマはダービー。武豊を買ってはずしたため、「武なんか、いい馬に乗ってるだけ、実力はまるでない」と批判している。
このあとコクテイルライブ。20数名の来場者で盛況。カネコウノという、おなじみ文科系女子メガネコンビが、ぼくに50の質問をぶつける、という企画。質問は事前にまったく知らされておらず、ぶっつけ本番だったが、ちょうど1時間30分に納まる。ぼくの気にしていたのは、時間配分だけで、こんなにうまくいっていいの、という感じであった。なかには「これまで浮気したことは?」などの厳しい質問もあったが、おおむね正直に応えたつもり。金子さん、河野さんにあらためてお礼を言いたい。君たちのおかげです。ありがとう。
晩鮭亭さんが『風に吹かれて』をプレゼント用に提供してくれたり、みなさんにお世話になった。さすがに疲れた。