いってんにわかにかきくもり

午前中ぎりぎりまで仕事、妻はでかけたと思い、玄関を出たら、門の前に立つ女性がにこやかに笑いかける。何かの売り込みかと思ったら、「○○です」という。妻の友人だった。如雨露を持った妻が現れ、少し言葉を交わして自転車で国立へ。
「大阪人」の取材、継続。今日は「古書モール」に。均一にあるある、大阪本。またたくまに時間過ぎ、「書肆アクセス」で畠中さんに挨拶し、すずらん通りを歩いていたら、「おお」と声をかけられる。大空出版の村山くん。「彷書月刊、読みましたよ。おもしろかったですねえ」「やあやあ」と会話し、別れて2、3歩行ったところで、また「やあ」。今度は朝日出版社の渡辺洋さん。会うときは会うなあ。
サンデー毎日で仕事。隣りの席にいる記者に、イラストレーター探しを依頼されていて、久住卓也くんを推薦しておく。それが決まったようで、ちょうど久住くんと電話していたので、ぼくも少し話す。
サンデー終え、また神保町。羊頭書房で、日本のSFミステリの分野で大阪を舞台にしたものないか、と相談し、3冊を買う。さすが蛇の道はなんとやらで、たちまちかたちができていく。ふたたび「古書モール」へ。ここでも大阪本を買い込む。
さっきまで晴れていた空からぽつぽつ雨が。このあともあちこち寄るつもりがあきらめ、東西線、中央線と乗り継ぎ帰途へ。家へ帰ってしばらくしたら、空が黒くなり、雷とともに豪雨。その少し前、娘が「外で道を聞いてる人がいる」という。出てみると、軽装の老人(男)が、玉川上水への道を聞いている。散歩していて道に迷ったらしい。ちょうど雨が落ち始め、うちのビニール傘を「持っていってください」と差し出し、道を教える。傘は「いやいや、申し訳ないから」と固持されるのを「いらなくなったら捨ててください」と無理矢理押し付ける。そのあと豪雨となった。
ちょっと本を探していたら、「キャビン」最新号が出てきて、評判の杉本秀太郎の文章を読み、感服する。捨身でありながら、きりりと引き締まった名文なり。夕食後、ソファでうとうとし、沈没。もう、なんにもする気にならない。
そろそろ「彷書月刊」の取材先を考えねばならないことを、最新号が届いて思う。いつか行き損ねた、逗子の「海風舎」はどうか、と、NHk「ゆるナビ」を見ながら考える。