深呼吸の必要

昨日は終日仕事、といいながら、本探しであちこちでかけたのだが。小田実『何でも見てやろう』講談社文庫は、立川羽衣「いとう」であっさり見つかった。谷川で、竹信悦夫『ワンコイン悦楽堂』情報センター出版局を600円、吉本隆明『読書の方法』知恵の森文庫200円を買う。
国立「増田書店」で、TBS用に嵐山光三郎『悪党芭蕉』新潮社を買い、すぐさま読みはじめる。教育誌連載コラム「名言」用に、ロバート・B・パーカー『初秋』を引用する必要があるが、これもどこかに紛れて見つからない。あわてて夕食後、家族で立川栄「ブ」で購入。猛スピードで要点のみ再読し、原稿を書く。引いた名言は「泣くのはかまわないよ。おれも時折泣くことがある」。あと、別の教育誌のコラムを一本書いたところで力尽きる。放心したようにソファでしばらく目をつぶると、まだ帯電するように、頭のなかがワンワンいっている。まだまだ積み残し、追加の仕事があり、まったくきわどい綱渡りだ。
深夜、山本善行と電話であれこれ話し、少し気が晴れる。まだ未定も未定の、二人による仕事が秘かに進行しつつある。
ときどき息苦しくなる。次の一歩が踏み出せなくて立ち往生する。そういうときこそ「深呼吸の必要」(長田弘)を感じる。