堀川弘通『白と黒』はいいぞ

9日はくもり、雨。なんとか下読みを終え、講評を書き宅急便3箱で返送する。やれやれ、ずっと重い荷物を抱えていたのが、肩から降りた感じだ。週一の共同通信の原稿を書く。8日夜、録画しておいた堀川弘通「白と黒」を観る。仲代達矢淡島千景の首をしめるシーンから始まる。別に強盗に入った男が容疑者(井川比佐志)として逮捕され、最初、殺人を否定するが、検事(小林桂樹)に追い詰められ自白する。そこからサスペンスが始まる。検事役の小林桂樹がやっぱりいい。痔の手術を怖がったり、いきつけの飲み屋で女店員のお尻をさすったりする検事。脚本(橋本忍)、音楽(武満徹)。いまフランスの映画館で放映しても受けるんじゃないか。ちょい役で大宅壮一松本清張が登場。どこに出るかはお楽しみ。
夕方、ビッグボックス古書市を覗いて中央公論新社へ。中公文庫総目録制作のための仕事。もと中公文庫編集室で、高梨茂さんの下で働いた女性kさんの話を、Fくんと聞く。4時間の長丁場があっというまに過ぎる。古参の編集者の話はまちがいなくおもしろい。
ビッグボックスでは平野さんの棚に、小口に多少シミがあるが、文芸書のいいところがざっと出て、しかも安いので滞留する。種村さんの『書物漫遊記』などが300円くらい。中井英夫の最後のエッセイ集というのが600円で、これにも手が伸びたが、けっきょく買わず。蓮實重彦対談集『事件の現場』が懐かしい本で、これを350円でつい買ってしまう。
アカハタから取材の電話。