今日はこれだけ、だ。

すばらしい快晴。すべてこともなし。夕食後、国立駅前まで散歩した以外は、アクションなし。ずるずる、ただ息をしていた一日。
オペラ歌手、岡村喬生『ヒゲのオタマジャクシ』新潮社は、めっぽうおもしろい本。新聞記者になるため、早稲田の政経に入ったが、コーラスに目覚め、歌の道に進む。女房、子供がありながら、28歳でイタリアに留学。国際コンクールに優勝。しかし、単車で交通事故に遭い、すわ片足を切断、というとき、歌手だから足を切るなと叫ぶ。「世界わが心の旅」で、足を切らずに手術してくれた医師を訪ね、入院した病院の礼拝堂で、歌曲をうたったのが感動的で、ぜひ読みたいと思ってた本だった。単行本も文庫も品切れだが、わりに見つけやすい本だと思う。
あとがきに、世話になった編集者として新潮社の水藤節子さんの名が上がっている。ああ、水藤さん。車谷長吉のインタビューで新潮社を訪ねたとき、担当者として応対してくれたのが水藤さんだった。すごく感じのいい女性だった。
今日はこれだけ、だ。