こんな夢を見た

いま4日未明。4時に目が覚めてしまい、そのまま眠れなくなる。あきらめて起き出す。外を新聞配達のバイクのエンジンがうなる音がする。
こんな夢で目が覚めた。通りすがりの路上で、音楽をする高校生らしきカップルを見る。これがなんともユニークで、自転車を改造し、そこにギターを取り付け、高音部の3弦でメロディーラインを女の子が担当。しかもこれをチェロのように弓で弾く。男の子はその左脇で低音部の3弦でベースを担当。しかも、自転車のスタンドのバネを利用して、スタンドの上げ下げではじくようにベース音を鳴らす。歌うのは女の子で、あきらかにアン・サリーの影響を受けた唱法。しかしなんとも伸びやかな声でうまい。ギターを二人で弾く奏法とともに、これまで見たことも聞いたこともないようなスタイルの音楽に、思わず立ち止まって聞き惚れる。二人とも服装も顔だちも地味だが好感が持てる。これはまちがいなくプロになるぞ、手助けしてやりたいと昂奮してくる。
昨日は、昼ごはんを食べに出たほかは夕方まで自宅で仕事。「彷書月刊」の連載、百回記念を天誠書林さんで書く。いつもの倍の分量。そう言えば、取材した3月31日、ぼくと田村さんが店を出たあと、柳瀬くんが天誠さんに行っていたみたい。偶然。そう、林さんを囲む会で柳瀬くんが話してた。
妻と娘が実家へ帰っているので、昼御飯を食べに自転車で外出。すごい風に吹き飛ばされそうになる。立川栄「ブ」へ立寄り、中央公論「日本の文学」の谷崎潤一郎の巻「二」を買う。「細雪」の巻。本文はすでにいろんな版で五種類ぐらい持ってる。欲しかったのはサイデンステッカーの解説と、くわしい注と、田村孝之助の挿絵(文庫版にも入っているが、一部ダブりでない)、田村によるカラーの口絵の部分。これでじゅうぶん105円の値打がある。
グレアム・グリーン『情事の終り』新潮文庫が改版され、カバーも変わっている。買おう。そのほか、講談社文芸文庫『窪田空穂歌文集』など。もちろん105円なり。
午後は、共同通信で始まる古本コラムの第一回を書く。夕方家を出て、吉祥寺、渋谷経由で青山一丁目へ。今晩、TBSの花見会が某飲食店であるのだ。ひさしぶりに荒川洋治さんが出席。べたっと張り付いて、ずっと荒川さんとあれこれ話す。『気まぐれ』がこれまで出た岡崎さんの本で、いちばんいい本じゃないかな、とほめられる。上京してからの来し方のこと、韓国旅行のことなど、本の話など熱心にする。「文藝年鑑」の詩の項目を荒川さんが担当。ぼくもノンフィクションの部を書く。師弟で同じ媒体に書いたことになる。お天気の森田さんが明日、誕生日で、ケーキのロウソクを吹き消し、みんなで祝う。
ハイヤーで帰宅途中、一橋大学通りの桜並木が、夜の闇に浮かび上がり幻想的。