林哲夫さんを囲む会

タイトルバックとスタイルを変えました。これ、簡単なのね。あれこれ見本があって、選んでクリックするだけ。気分でこの先も変えていくつもり。
さて4月1日。お日柄もよく、どこもドッと人出があり、街に人があふれだしていた。国立も桜が満開とあって、駅で券売機の前に長蛇の列。少し頭の暖かい女性が、「キップが買えない。腹たつ。どうしてくれんのよう!」と怒りまくっている。
娘に原稿用紙を渡し、「彷書月刊」用に「うちのお父さん」という作文を書くように命じて、今日は、夜の林哲夫さんを囲む会を目指し動き出す。まずは国立「ブ」で、コロナブックス「中原淳一エッセイ画集 ひまわりみだしなみ手帖」が300円、よしもとよしとものマンガ『青い車』が105円。後者は、先日打ち合わせで会ったNHKの構成作家が好きな作家として挙げていたから。
「ささま」均一は、すでに棚があちこち空いている。女性の姿もちらほら。しゃがんで物色していると、店から出てきた男性がこちらを見て挨拶する。いっしゅん、誰かと思ったら、沼田元氣さんなり。「ああ、どうも」と挨拶を返し、また棚を見る。文庫から新潮文庫3冊。大佛次郎『宗方姉妹』には、テレビ化のスチール写真の帯が。谷崎潤一郎『鍵・瘋癲老人日記』は、改版され森英二郎がカバーをデザインしたもの。偶然だが、『宗方』も『鍵』も解説は山本健吉。山本は解説の名手なり。この解説もいい。
E・ブロンテ『嵐が丘』は鴻巣友季子の新訳。これはあとがきを読みたい。単行本では谷川俊太郎『わらべうた』、池内紀編『旅の音楽』、美術手帖吉原治良」、山口雅也『ミステリー倶楽部へ行こう』
帰り際、「ささま」の小澤くんから一冊の小冊子を手渡される。『酒の聖書』と題された、小澤くん制作の私家版なり。中身は、同僚のNくんが酒場で酔ってもらした放言、暴言、迷言を採集し、編集したもの。これがじつによくできている。ところどころ色を変えたり、小さなカットを入れたり、編集センスばつぐん。永久保存のガラスケース棚へ入れておこう。一つだけ引用する。
「割と、走ると転ぶね」
スムース文庫に入れたいぐらい。
このあと、丸の内線で銀座へ。林哲夫さんの個展を覗き、林さんといっしょに神保町へ。書肆アクセスへ行くという林さんと別れ、東京堂のウインドウを見ると、『気まぐれ』が2位に復活してらあ。古書モールで林さんと落ち合い、少し散策したあと、今夜の会場へ。この夜のことは、向井くんがうまく書いてくれるだろう。ぼくは二次会を12時前に出て、家路につく。電車は座れてよかった。珍しく少し寝込み、起きたらもう国立だった。
帰ると、娘の書いた作文がテーブルに置いてある。少し笑い、少しせつなくなる。