吉祥寺にちょっと変わった古本屋出現!

昨夜、どうにもこうにも煮詰まって、すべてを放棄し、夜10時にベッドにもぐりこむ。そしたら、午前3時に眼がさめっちゃった。時間感覚をいっしゅん失い、いま自分がどこでどうしようとしているのか、溺れて水中でもがくように、水面へ出ることを考える。
少しぼうっとして、光文社新書の書下ろし、20枚ほど書く。これは読書による自伝に当たる部分なり。自分のことを書く、というのがどうも苦手で、つまり、書くに値する自分があるように思えてこないのだ。そんなことを言ってもしかたがない。あれこれ、思い出しながら書く。
今日は、午前中に二度寝して、午後神保町へ。タテキンにて、久々に古書らしい本を買う。昭和7年、実業之日本社刊『明治大正昭和大事件怪事件誌』という本。さまざまな事件、ゴシップ、街種を新聞から拾ってコラムふうにまとめた本。函入りで800円。状態はよくないが。これはおもしろそう。
このあとアクセスで『気まぐれ』にサインすることになっていて、似顔絵用の資料として、「男の隠れ家」文豪生活特集を買う。開高健、百聞、井伏、色川武大荷風の写真あり。畠中さんに挨拶、「ぶらじる」へ移動して、10数册にサイン、イラストを入れる。畠中さんより娘にお土産もらう。気を遣ってもらって悪いなあ。
サンデーの仕事を終えて、最近は2時30分には終わるのだが、ささまへ。今日はちょっと買えそうだったが、荷物もあったので、控えて、それでも村野四郎詩集『藝術』冬樹社(装幀が吉岡実っぽい)、生島遼一を二冊、『春夏秋冬』冬樹社、『鴨涯日日』岩波書店を105円で。野村くんに「岡崎さん、吉祥寺にあたらしい古本屋できたの知ってます?」と情報を得て、その足で吉祥寺へ。公園口を出てパークロードという斜めの道を右へ、少し歩いたところに左手、「バサラ・ブックス」があった。もらった赤いチラシには「大人の(せまい)本の遊園地(はなやしき、とルビ)」なんて書いてある。店の半分が本だが、量は少ない。新刊も置いている。漫画、サブカルが目立つが、ひと棚、新潮の書下ろし純文学がずらりと並び、ごちゃまぜの観あり。奥半分がアダルトのDVDと、なにやら赤い筒のようなものが大量に置かれている。一体なんだろうと思いながら、買う本はなく、店を出ようとしたら「岡崎さん、ですか」と店主に声をかけられる。そこで話を聞くと、彼(26歳)は、西荻音羽館でもバイトをしていたことのある若者で、夜はコクテイルでよく飲んでいるとのこと。赤い筒は、なんと男子の自家発電用の器具だった。レジカウンターにはコンドームも置いてある。これにはまいった。
エロはもともと古本屋と親しい物件だが、エログッズまで置いてある店は少ない。それも非常に明るく、あっけらかんとした空間に、まるでオブジェのごとく置いてある。「若者にはエロと一緒に本も手にとってもらいたい」という。そうか、そうなのか。いやあ、まいった。月曜定休、12時から23時30分まで営業。いちおう住所は吉祥寺南町1・5・13。めちゃくちゃいい場所だ。