擦り切れた雑巾

昨日は雨。昼は「文藝春秋特別版」の編集者Mさんからゲラを受け取り、『ミコのカロリーBOOk』をブツ撮り用に渡す。それからサンデー毎日へ。誌面が変わり、ぼくの短評は6本に減る。ギャラも減るが、おかげで仕事が早く済むようになった。3時30分に竹橋スタバで工作舎石原さんと待ち合わせ、だったが、2時30分にはスタバへ。ずっと池内紀の仕事場『〈ユダヤ人〉という存在』みすず書房を読む。これ、おもしろいの。『ベニスの商人』のなかで、「まっとうな、いわば人間の名に値するのは」、シャイロックただ一人とか、ウイーンの町のありとあらゆる場所に、自分の名前を落書きしてまわった痛快な男、キュゼラークの話とか、読んでいてうきうきしてくるのだ。
帰り、高田馬場で途中下車。ビッグボックス古書市を覗く。あれこれ、6冊ばかり買ったかな。レジにいた向井くんに挨拶。
そして今日の午前中に、新潮社「文藝年鑑」のノンフィクション概観、10枚を書く。慣れない場での慣れない仕事、慣れない枚数にほとほと疲れきる。ノンフィクションなんて、意識してそんなにふだん読んでないから、この仕事のために、きりきり舞いすることに。今年に入ってあれこれ、バタバタして、3月に入ったところで息切れ。この数カ月で3、4年は年を取った感じがする。擦り切れた雑巾のような気分だ。
そんななか、今週号の「週刊文春」に紀田順一郎さんが、『気まぐれ』を紹介してくれた。慈雨に打たれたような気分だ。ジョン・フォード『三人の名付け親』という、拳銃を抜かないジョン・ウエインを主人公とした異色西部劇を観る。このところビデオテープが投げ売りで、これも「ブ」で350円で買った。レンタルビデオの借り賃並みの値段だ。まあ、一回見れば満足するのだ。
娘の幼稚園時代からおつきあいしているパパさんの一人が、勤務先の中国から一時帰国。明日、急きょ、パパさん仲間で飲むことになる。
工作舎のホームページで『気まぐれ』の特集をしてくれています。石丸澄子さんの記事もあります。よかったら覗いてみてください。

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