土曜の朝、これを書く。

土曜の朝、これを書く。昨日、金曜、仕事始めで竹橋「毎日新聞社」へ向う。その前に神保町通過。アクセスに行き、畠中さんに新年の挨拶。INAX出版の新刊『小さな骨の動物園』を畠中さんから「これ、おもしろいんですよ」と紹介され、その場で買う。さまざまな動物の骨を紹介。畠中さんに甘酒をもらっちゃった。新年に甘酒をもらう、というのが俳句の季題みたいでいい。
コミガレにも初見参。詩集の棚に、三島由紀夫本がたくさん並んでいる。新書判を三冊、買う。『小説家の休暇』はミリオンブックス、『不道徳教育講座』は中央公論、真っ黒なカバーだが装丁は佐野繁次郎だ。それに『文章読本』も中央公論、ただし「婦人公論」の付録だ。新書の本を書く仕事が現実化しそうなので、新書の蒐集。
サンデー毎日は、誌面が変わり、短評10本書いていたのが7本に減る。めちゃくちゃ楽になる。1時間半ほどで仕事が終わる。担当のIさんと、これからのこと、書評のこと、あれこれ喋る。あちこちで出会った人と新年の挨拶をする。
帰り、荻窪「ささま」で初均一、ブーメランのように高円寺へ戻り、初コクテイル。ハツモノづくしである。ささまでは、均一で3冊、うち新書が2冊。なかで松山巌『手の孤独、手の力』中央公論社を840円で。寒風ふきすさぶ均一にしゃがんでいると、若い図体のでかい男が、カゴにいっぱい買っていた。見ると、例のケータイ背取り。ついに「ささま」にまで現れたか。ケータイ背取り
コクテイルは、今夜が初仕事。狩野くんと話すと、奥さんの実家である秋田へ帰っていて、ほんとうは昨日帰る予定が、豪雪で新幹線が止まり、今日になったという。雪国の雪下ろし地獄の話を聞く。ぼくは雪国にはとうてい住めないや。
今夜、工作舎Iさんに、『気まぐれ』3校に、書き込みをしたのを渡す。正月はずっとこの作業をしていた。ほっとする。ハレルヤ、酒が脳髄に沁みるや。刊行は1月といったが、2月初めにずれこみそう。Iさんとはあれこれ喋ったが、アン・サリーの話が出て来るとは思わなかった。事務所の社長と懇意にしていて、デビュー前後のことからIさんはよく知っている。最初のプロデューサーとの確執など。Iさんも名古屋だが、アン・サリーも名古屋。ちょうどその場にいた、コクテイルシスターズの一人も名古屋。「岡崎さん、名古屋に行ったら、すがきやのラーメン食べなあきゃせんで」と、2方からステレオ放送のように名古屋自慢をされる。
以下、晩鮭亭さんにだけ話しかけるつもりで書くが、アン・サリー名古屋弁を喋る。それも尾張の上流の名古屋弁らしい。聞きたいなあ。それと、アン・サリ−は本職は医者だが、ずっと終末医療にかかわり、おじいちゃん、おばあちゃんの心を慰めるために、歌を歌いだしたらしい。ね、晩鮭亭さん、ライブの帰り道、話してたこと思い出すでしょう。
コクテイルで宮廷記者団著『天皇』という東洋経済新報社が出したすごい新書を買う。250円。Iさんと11時過ぎに店を出て、駅までの帰り、「ZQ」というCD、ビデオ、古本の店に寄る。均一台を二人で漁り、ぼくはすぐ物色をあきらめ、Iさんがあれこれひっくり返すのを見ていると、新書判で草森紳一『マンガ・エロチシズム考』を発見。あわてて拾い出す。これが52円。いい大人が52円の本一冊買うわけにいかない。店内の壁一面の芸能おばか本(思わず顔がにやけてくる)のなかから、『笑福亭松之助聞書 いつも青春ずっと青春』を600いくらかで買う。Iさんも「ここおもしろいですね」と、けっこう買っていた。
「潮」2月号が届く。書評ページに川上弘美さんの『卵一個ぶんのお祝い。』について書いたのだ。そう言えば、今年も川上さんは年賀状を下さった。律儀なお人だ。年賀状は今年160〜170枚は届いたのではないか。これはぼくの人生でレコードだ。昨年一年であれこれつきあいが広がったと感じる。誰に出したか、チェックしていないので、もし、年賀状を下さった方で、岡崎から返事が来なかった方、お詫びします。もう新年明けて6日目、今年もあっというまに過ぎ去るだろう。やれやれ。