やっぱりね、にわとり文庫

24日(土)、11時30分ごろ高円寺即売会。土間均一で末田重幸詩集『かいつぶり』書肆季節社が200円。著者のことはしらなかった。季節社の詩集、というだけで手に取りたくなる。それで買った。なかで、紀伊国屋アートギャラリーは文庫判の薄い画集が三冊入った函入りで300円。R・ハウインク『おかしなデータブック』朝日出版社200円。週刊平凡の臨時増刊号は1975年ヒットソング、300円。ほか数冊。
荻窪ささまで3冊買って、そのまま歩いて西荻へ。にわとり文庫へ顔を出す。取材以来初めて。田辺くんに「おめでとうございます」と言われる。なにかめでたいことがあったかと思うと、『気まぐれ』が出ることだった。にわとり文庫も入っている。ちょうど西村さんが顔を見せ、二人で「今度、けっこんすることになりました」と挨拶される。「おめでとう」を言うのはこっちのほうだ。「そんなん、わかってたよ」と言うと、「最初に二人の仲を指摘されたのが、岡崎さんだった」という。資生堂の古い包装紙とアメリカの絵本を一冊買う。できたばかりの「にわとり文庫」目録1をもらう。すべて書影入りのすぐれたもの。いま、パソコンでこんなのつくれちゃうんだからな。すごいや。
そうえいば、西村さんはイラストレーター、音羽館の奥さんもイラストを描くし、興居島屋の石丸澄ちゃんのデザインワークはおなじみ。これから古本屋の嫁はイラストが描ける人に限る。そうするとハルミンさんも古本屋さんにお嫁に行くのかしらん。
音羽館ではさそうあきら『1+1は?』を400円で。読む前から傑作に決まっておる。
気まぐれで西荻から吉祥寺までも歩く。吉祥寺「ブ」は、買うものなし。ちょうどCD300円引きセールをやっていたので、マイルス・デイビス『ワーキン』とビートルズ『レット・イット・ビー ネイキッド』を買う。どちらもいまさら、というものであるが、買いそびれていたのでいい機会。
昨日、今日でじつはCD7枚も買ってしまった。友部正人『読みかけの本』も買う。
彷書月刊リトルマガジンズ特集号、たのしく読む。荒川さん、畠中さんの談話、どちらも肉声をしっているだけに興味深い。つまり、うまく口調を活字に移しかえている。とくに畠中発言。タコシェ中山さんに「畠中さん、何年ぐらい(アクセスに)いらっしゃるんですか?」の問いに、一度「十六年、ぐらいよね」と言っておいて、あとで「あ、サバ読んでる、十八年かも(笑)」なんてところ、畠中さんの声が聞こえてきそうだ。畠中さーーーん! いいなあ、畠中さん。大好きだ。
それに「ホンの情報」の『本と女の子』や『ブックカフェものがたり』の短評、タムラさんだと思うが、自在に言葉を吐き出してリズミカル。いやはやうまいものだ。
25日夜、M1グランプリを娘と見る。ぼくは麒麟を応援。娘のひいき、南海キャンディーズが早くも脱落。怒っていた。麒麟は決勝戦のネタが悪かった。最後にブラックマヨネーズが登場して、もう途中で、娘に「これでもう、ブラックマヨネーズ」に決まりやな、と宣言。そのとおりの結果になった。
しかし若手の熱演をこれだけ長く見ると疲れるなあ。年かねえ。もっとルーティンの、だらだらした漫才もみたくなるなあ。
追加
ああ、「散歩の達人」を買ったのでした。本屋の特集だからね。すると「おに吉」について、見開きで出てるので驚いた。そうか澄ちゃんが、電話で確認してきたことあったが、これだったのか。西荻の古本屋も紹介されて、いい扱いだ。みなさん、この号は買いです。ブックオフのページで、なぜ、清水国明が重用されるかが判明。清水の姉が同社の取締役なんだって。驚いた。
それから、不忍ブックストリートについて、ナンダロウさんが語っているが、そのページに、内澤さんといっしょに写った写真あり。これが、もう、まったく数字の10みたいに見える。二人を「10円コンビ」と命名したのはぼくだが、そのあまりな「10」ぶりにたじろぐ。旬子さんが病気をされ、ますます痩身に磨きがかかり、限りなく10に近づいていて、そのうち本当に10になってしまうのでは、と。上方笑芸の愛好家としては、この夫妻にどうしても漫才をしてもらいたくなる。それぐらい、完璧な漫才的ビジュアルなのだ。本を買い過ぎる夫を責め立てる妻。言い訳にならない言い訳をする夫。あたらしい古本漫才の誕生だ。これに古本版おぎやはぎ(改名して「かねこうの」となる)の古本コントを組み合わせれば、古本演芸会が開ける。