2005年ベスト30誌上再現

ああ、いよいよ年末だ。22日夜、旅猫、海猫さんが来る。海猫さんが参加する、25日の品川のふるほんフリーマーケットにひと箱出品することになった。同時期の銀座松屋での古書市の参加は断ったので具合が悪いのだが、本を揃えて、値をつけるだけで家まで取りに来てくれる、というので、上々堂補充の延長として参加することに。くわしくは、海猫さん、うさぎ書林さんのHPをごらんください。
さて、原稿も残るはあと1本。昨夜は年末恒例のコクテイルライブも無事すんだ。忙しいなか、遠いところ、あれこれの障碍を越えて来店してくださった方々に感謝します。今回は下手な歌はやめ、ベスト30の古本紹介だけ。時間配分など出たとこ勝負だったが、予定の1時間30分内に収まる。ナンダロウさんが早くもブログでこの夜のことを書いてくださっていて、ベスト30を公表せよ、とのことなので、なるほど、そういうことをすればいいんだな、と思い、以下、挙げておく。ただし、厳選した30冊ではなく、ライブで紹介するウケ狙いのものが相当ある。それに順位も適当であること、お断りしておく。
30 石原吉郎『詩集 北條』花神社 当ブログでいわく因縁の一点。その渦中に取材に来てくださり、会場にいた北条さんに進呈する。
29 大正12年埼玉県教育会「夏休みの友
28 『ガールズ・オブ・ジャパン』アメリカ向け日本女性写真集
27 森田拳次『ポパイ』昭和37年少年画報付録マンガ
26 じゅんとネネ『みずいろの世界』昭和44年なかよし付録マンガ
25 『魅惑のマヒナスターズ』ソノシート本 昭和40年代?
あ、いまメモを見て気がついた。25と26がダブっている。だからベスト32だったわけだ。
26 日比野都『天国の父ちゃんこんにちわ』1966年 東芝日曜劇場でドラマ化 大阪の下着商
25 海外向けPR小冊子『菊正宗』1949年 和本仕立てで文庫サイズ
24 ピエール・デスノス『見るもの食うもの愛するもの』昭和33年新潮社 河盛好蔵堀口大學サイン入り
23 戸板康二『女優の愛と死』昭和38年 河出ペーパーバックス 美術評論家の宮川謙一宛サイン入り
22 小野賢一郎『世界のぞ記』大正9年正報社 大阪毎日記者の海外渡航
21 フンダ・アンダリエン主人『あちら・こちら物語』昭和11年誠文堂新光社 著者は花月園で子育てまんじゅうを売り、南米へ移住した天野芳太郎
20 「ヤングミニマーク?」昭和56年中一時代年間予約者プレゼント品 携帯ラジオ 函の写真は榊原郁恵なり
19 北原武夫『体当たり女性論』昭和34年中央公論社 中林洋子装幀
18 木俣武画『こども電気学』昭和15年小学館 ロシア絵本の影響下にあるすばらしい絵
17 寺田瑛『人生不連続線』昭和11年太白書房 報知新聞記者の長期連載コラム集成
16 丘野ルミ『消えぬ爪あと』昭和40年ごろ貸本マンガ 絵が下手!
15 黒木香『フルーツ白書』1987 カバーが『サラダ記念日』のパクリ
14 ポール・レオトー『禁じられた領域』新潮社
13 プレイガール研究読本(タイトルは正確でない)
12 『怪盗ルビイ』和田誠監督映画のメイキング本 じつは入手困難な和田本
11 丸木砂土訳『歓楽の二夜』世界猟奇文学全集 伏字部分の空白に所有者が書き込み
10 『岩波写真文庫総目録』これは珍しい!
9  サガン『一年ののち』新潮社 映画「ジョゼと虎と魚たち」に登場!
8  亀山巌『裸体について』名古屋モダニズムの重要人物の著書 エロ満載のなかに昭和初年の文学者動向の文あり
7  「杉並区1952年版 区と町の早わかり」岩森書店、井伏鱒二登場!
6  昭和41年「スバルの歴史」スバル360の年ごとのモデルチェンジをイラストで解説 
5  牧野富太郎『雑草三百種』昭和16年原生閣 後ろ見返しに東陽堂書店の古いシール それをタテキンで買う。長い年月を経て、数十メートルの移動
4  ごぞんじ!『血と薔薇』創刊号 背が壊れ、切り取りアリなれど1000円! 河出文庫の復刻でも1200円だからね これは当日会場をうならせました
3  昭和41年京阪電車パンフ(枚方パーク菊人形チラシ入り)
2  『真鍋博の線の画集』講談社 山本善行最前線たる京阪三条「ブ」で400円で抜いたことが、わが誇りなり
1  英文絵本 長新太『シタキリスズメ』 会場に来ていた西秋学さんも、これが一番、と太鼓判。トムズボックス土居さんの美少女助手に、「これは土居さんに買ってもらおう」と約束

いま振り返っても、手を変え品変え、いくつもベスト30が作れる。これで1時間30分、客を退屈させなければ、興行が打てるのではないか。
それから会場で狩野さんから、「ぐるり」五十嵐さんからと手渡されたのが、『グッバイ・ザ・ディラン?  糸川耀史写真集』ビレッジプレスだ。1974年プガジャ刊の復刻。1300円+税でよく造れたなあ。プガジャ世代にはナミダ、ナミダの懐かしき顔。むかしの大塚さん、サングラスしたらみうらじゅんやなあ、とか、今はなき西岡恭蔵もいるし、歌が聞こえてきそうな写真集であります。