渦の真空に呑まれて

昨夜、どうにかJノベルの原稿を書いて、今朝は写真をそろえる。昼、神保町で工作舎のIさんに手渡す。古本屋の写真。整理されていなくて、めちゃくちゃ。木曜なのにコミガレが開いていて、石川弘義『欲望を創る人々』毎日ほか3冊。Hなタイトルだが、要は1969年時点のマスメディア論。すぎやまこういちインタビューと、11PM論があるので買った。
タテキンでは、100円箱から『岩波写真文庫総目録』を見つける。あとユリイカなど。アクセスで畠中さんから、フェアの「東京者」小冊子、姫路文学館の「はりま・シネマの夢 銀幕を彩る映画人たち』カタログをいただく。『ふるほん福岡 3』400円と、名古屋のミニコミ誌『なごやに暮らす 9』525円を買う。後者は乙女系「くうねる」ふうなれど、いい仕上がり。過去に古本特集もやったみたい。
サンデー終えて、荻窪下車。「ささま」へ。4冊ほど小脇に抱えたところで、補充があり、目の前に夏堀正元『渦の真空』(上下)朝日新聞社、が出る。わっと飛びつく。定価、上下で1万円、1600ページ近い長編。5冊分はある。で、抱えていた4冊を戻す。重いもの。『渦の真空』は著者の自伝的作品。「海燕」に連載されているのを、一回分、いつだったかに読んだ。ちょうど戦後すぐの高円寺周辺の詳しい描写があり、中央線文献として確保せねばと思っていた。しかし1万円だからね。半額でも5000円。「ブ」の一冊500円セールにうまく見つかればと思っていたが、「ささま」で105円。出るときゃ出るもんだなあ。しかし105円とは。堀田善衛がロシュフコーを書いた評伝、函入り3巻本も一冊105円で出ていてこれも欲しかったが、『渦の真空』に呑まれてあきらめた。西荻下車、興居島屋へ寄り、石丸澄ちゃんと話す。
ポプラ社から桂米朝『落語と私』、鎌田慧『この時代に異議あり』届く。あ、それから荒川洋治さんの文芸時評集『文芸時評という感想』四月社も送られてきていた。産経新聞に連載。しかし、新聞の文芸時評が本になるなんて、ひさしく聞いたことがない。