『血と薔薇』創刊号、難ありだが1050円

明大アカデミー4日目。日月堂の佐藤さんがゲスト。その前、学習院に引き続き受講してくださったYさん、それにもと同僚というNさんと話す。Yさんが高校の教師であること、初めて知る。Yさんがいるから、同じ話を二度できないんだよ、とぼやきながら、じつはありがたいと思っていた。忙しいなか、お金がかかるのに、ぼくの話を二カ所にわたって聞こうとしてくれているんだから。
佐藤さんとは、気心知れた仲(と、こっちは勝手に思っている)から、ロゴスギャラリーでのムラカミ家、印刷解体のイベント、パリの買い付けの話を中心に話してもらう。受講者も4回目とあって、緊張感が解け、いい意味での慣れと、空気が温まってきた感じが、返ってくる反応から感じる。この感じでスタートできたら、もっとよかった。古本屋というイメージを逸脱した、日月堂の企画力とセンスは、じゅうぶん伝わったのではないか。
終ってから、佐藤さん、ちくまの青木さんほか有志8名で、また明大の学食で食事をする。旅猫の金子さんと、受講生の女の子がずいぶん親しそうなので、「えっ、二人、友だちだったの」と聞くと、今日はじめて喋ったという。しかし、雰囲気といい、いいコンビ。おぎやはぎ女性版として、コントをするように厳命する。
このあと、ほぼこのメンバーで五反田へ移動。本の散歩展を覗く。ほとんど初めてという人ばかり。「五反田の一階で買えないようじゃ、どこへ行っても買えないよ」とアドバイス。みな、せっせと買っていた。あとでわかったが、金子さんを除き、中央線沿線住民だった。
ぼくはおとなしく11冊だけ買う。『血と薔薇』創刊号が、背が一部壊れ、切り取りがあったようだが、1050円。これは買う。前から一冊、とにかく、欲しかったんだ。奥野他見男『大学出の兵隊さん』が500円。一業一人伝シリーズ、永井龍男菊池寛』500円、岩波写真文庫『写真』は撮影が木村伊兵衛で100円などなど。
この日、受講者の何人かが、このブログでコメント欄閉鎖したことで、心配しながら声をかけてくれる。ぼくはバカだなあ、と思う。つまらぬことで動揺して、あたふたと反応してしまって。わかってくれている人は、なんにも言わずに、ただわかってくれているのだ。それでいいではないか。すいません、ぼくがまちがってました。コメント欄復活です。どんどん書いてくれい。ただし、批判はかんべんしてくれ。たのむ。
今日、明大でも五反田でもスースー寒く、また声が出なくなってきた。
北海道新聞から、書評用の伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』平凡社ライブラリーとどく。ストライクゾーンの依頼だ。明日は名古屋だ。