『東京タワー』400ページ目で落涙

悪い夢で明け方目覚める。蒲団を蹴飛ばして、下半身が冷えきっていた。5時。そのまま眠れず、リリー・フランキー『東京タワー』を読みはじめる。自伝的作品で、著者に関して知らないことばかりだった。ときどき挟み込まれた箴言的文章が身に沁みる。母親の死がクライマックス。しかし僕は泣かないだろうと楽観していたら、400ページのところで落涙。これは傑作なり。
朝食とって、昼まで寝る。午後、娘を連れて国立へ。「ブ」へ「3時になったら、これでマクドナルドで何か食べな」とお金を渡して娘を放り込み、嵐山光三郎プロデュ−スの志らく落語会へ。志らくは「居酒屋」と「芝浜」を好演する。昨夜、志らく劇団の「あうん」の千秋楽で打上げで朝まで飲んで、ほとんど寝ていないという。「しかし、不思議なもんで、体調が悪いほうが出来がいい、というのは噺家の場合、よくあることなんです」という。然り。最後「芝浜」を熱演し、志らくはしびれがきれて立てなくなった。そんな姿を見るのも生の面白さ。
会場には知り合いが何人も来ていた。コクテイル狩野さんに、コクテイルで年末に「岡崎武志2005年、買った古本ベスト30」というトークショーの企画はどうかと持ちかける。コクテイルでは、これからさまざなライブイベントが待ち構えているという。終って、西秋学くんと近くの喫茶店で少し喋る。「ブ」へ自転車を取りにいくと、娘は帰っていた。
夜、TBS用に川本三郎監修『寅さん完全最終本』小学館をメモを取りながら読む。ロケ地にまつわる楽しい話がたくさん出てくる。旅に出たくなる。太地喜和子がマドンナをした『夕焼け小焼け』に登場する、播州龍野へは、この冬、ぜひ出掛けたいと思う。