阪神、わやですがな

豪雨があったと思ったら、いきなり後ろの崖が崩れて、家が土砂で埋まってしまったような感じだ。
なにが? って、阪神ですがな、阪神。今日、アクセスで畠中さんと阪神話をあれこれして、「まあ、今日は一勝」と軽く言ったら、畠中さん、「そうですか? なんか、勝てそうに思えないんですけど」。
うーむ、しかし、これだけ片方がこてんぱんに一方的にやられた日本シリーズってあるのかね、過去に。ないんと違う。ひどすぎた。まあ、パのプレイオフという制度が間違っておるのだと、しとこやないか。
今日は、神田古書会館「新宿展」で金井美恵子の絵本エッセイ『ページをめくる指』700円、講談社の児童書『平家物語』315円、田河水泡のらくろ総攻撃』500円を買う。タテキンを漁っていたら、いつもパトロールごくろうさんの古通樽見さんに声をかけられ、原稿依頼を受ける。均一台の前で原稿依頼というのがぼくらしい。林房雄『柳色新たなり』新潮社、『紙』岩波写真文庫、村上菊一郎『フランス詩集』新潮文庫が100円。今日出海酔いどれ船』弥生書房300円は、今の推理小説というのが珍しい。
サンデー毎日を終え、雨だというのに「ささま」へ。雨だから、均一棚も半ば店内に引っ込められ、淋しい。それでも均一で5冊、店内で1冊買う。
今日は午前中ずっと、「ちくま」のちくま文庫20周年特集のために、ちくま文庫著者の似顔絵でジャンル分けした地図を描いていた。いつも絵を描いているわけではないので、なかなかうまく描けない。
夜、石丸くんから電話。「おに吉」が明日できるという。それから三鷹文鳥舎の29日夜、池内紀古井由吉対談のイベントが満席になりそうなので、予約の確認を。その日、明大の講座で講義があり、そのあと神保町ツアーを引率するので、厳しかったが、せっかくだから、途中からでも参加することに。文鳥舎は、一度行きたいと思いつつ、なかなか足を運べないでいた。いいチャンスだ。
彷書月刊」10・11月合併号が届く。いろいろあって心配したが(心配しただけだが)、こうして手に取ってほっとする。第五回古本小説対象は受賞者なし。第二次選考通過作品に、西村義孝くんの名前があり、選考会の議録でも触れられているのでビックリ。彼は、非常にまともな一般人ながら、吉田健一のコンプリートをめざす徹底した蒐集家で、何度も顔を合わせ喋っている。残念だったね、西村くん。
阪神沈没を理由に、仕事なんかしたるかい、と気乗りしないまま、ケーブルテレビで竹下昌男監督『ジャンプ』を観る。原作は佐藤正午。たしか、目黒さんが褒めていた小説だな、と思いながら観続け、たちまち引き込まれる。これがおもしろかったの。斬新さはないが、ていねいな作り方が、ちょっと突拍子もないようなストーリーをうまく重しをつけて描いている。2時間がほとんどあっというまであった。
東京新聞から電話で書評の依頼。「草森紳一さんの……」と言うので、「おお! 『本が崩れる』」と叫んでしまう。うれしい依頼だった。