澁澤龍彦さんのそっくりさん

朝、早起きして、一本原稿を書く。家を出て中央線に乗り、国分寺まで来たところで電車がストップ。またもや人身事故による。これから向う明大リバティアカデミー事務所に遅れると電話。15分遅れくらいで到着。今月29日から始まる5回の古本講座で、初日、講義が終ってから生徒さんたちを連れて、神保町ガイドをすることになり(これはギャラなし、サービス残業みたいなもの)、その打ち合わせ。明大の参加者は22名になったという。じつは、朝日カルチャーセンターはたった4名しか応募がなく、成立せず、開講せずの連絡があった。この差はなんだ。しかし、明大の年齢層は高いよ。六十代がメインだ。ぼくより年下は数人。『ミコのカロリーブック』の話なんか、できるだろうか。
アクセスに寄り、畠中さんに、おまささんへの『日本の鶯』を託す。おまささん、いつでもどうぞ。先日のUGC、澁澤夫人の講演は、整理券が一時間で無くなる人気だったそうだ。やはり澁澤人気はすごい。俳優や歌手ならそっくりさんが出てくる。澁澤龍彦にもそっくりさん、いるといいなあ、と畠中さんと話す。荻原魚雷くんはどうだろう。サングラスをつけ、カツラをかぶるといい線いくのじゃないか。どうせ、澁澤さんの声を聞いた人は、一般人には少ないはず。「澁澤です。マニエリスム芸術について」など、適当なことを言っていればよい。あとはぼくたちが「似てる、そっくり!」と盛り上げれば興行がうてる。
サンデー毎日を終え、「ささま」へ。均一で8冊買う。ほんとはこの3倍くらい買えたが、重いもの。だいいち、ガツガツ買うのもなんだか下品なような。ほんと気が弱いんだよ。315円が一冊、吉行淳之介『湿った空乾いた空』新潮社の特装本、限定1000部で4000円定価。背革が痛んではいるが、いい本だよ。ほか、105円で、岸田衿子『風にいろをつけたひとだれ』、勝見勝『現代デザイン入門』、舟橋聖一『とりかへばや秘文』(さのしげ本)、池波正太郎『京都・大阪のうまいもの』、酒井寛『花森安治の仕事』(これは、単行本を文庫が出た際、処分して、また買い直すというパターン)、別役実童話集『淋しいおさかな』『黒い郵便船』(どちらもサイン入り)。
サンデー毎日」今週号に絵本の取材記事が掲載されているが、アートンの佐川さんから、うれしいお礼のメールが入る。うれしくなって、返礼すると、今度は電話がかかってきた。「楽天ブックスの安藤哲也さんと話したら、あの岡崎さんだったのか、って言ってました」という。安藤さんには電話取材したから、「岡崎」としか名乗らなかったのだ。まさか御存じとは思わなかったし。
文芸家協会から原稿依頼あり。今年の年鑑の「ノンフィクション」の概観を書いてくれという。ちょっと考えて、もっと適任者がいるのでは、と言うが、どうも紀田順一郎さんが推してくださったらしい。それなら断れないや。