ひょっとして退屈男さん?

朝、学習院生涯学習センターの講座。ひとり、70代の女性がいて、同センターのヘビーユーザーらしいのだが、とくに古本が好きというのでもないらしい。大変なの、とっちゃったわねえと思われないよう、この女性を意識しながら喋る。うんうん、とうなずいている姿を見るとほっとする。講座終って、みなさんと一緒に金井書店を訪問。花井社長がわざわざ開けておいてくださったのだ。映画「東京兄妹」の映像では見たが、なかへ入るのは初めて。高尚な書斎というイメージの棚。中央にテーブルと椅子が。受講者さんたちの質問にも、答えていただいて、ありがとうございました。花井さん。みなさん、満足されたようでした。
センター宛てに、毎日新聞社からゲラのファクスが。見ると3時までに返してくれ、とある。昼食を終えて、サンデー毎日編集部へ。そこでゲラを直し、キャプションを書く。
このあと、どっと疲れた足をひきずりながら神保町へ。コミガレを物色していると、隣りで見ていたハンサムな若い男性が、!とでもいうべき反応を示す。あ、これはどこかで会った人だな。コミガレでは、何度かブログの読者などから声をかけられている。退屈男さんだったけ、と思ったが自信がない。「ひょっとして、退屈男さん?」と声をかけて、間違っていた場合の処理が大変だ。怖いでしょう、知らない人が、「ひょっとして退屈男さん」と声をかけたら。そして、違ってたら。「いえ、拙者、丹下さぜんでござる」と言ってもらえればいいが。
コミガレでは欲しい本がけっこうあったが、講座で使った資料の本でパンパン。安藤元雄詩集『この街のほろびるとき』小沢書店、『福永武彦詩集』岩波書店、『ラ・フォンテーヌ寓話(下)』白水社(布背、箱入り)の三冊、500円。古書会館では、常田常雄『ひょっとこ』新潮社200円、横山泰三『プーサン』四季社500円、岩波写真文庫『軽井沢』150円を買う。『ひょっとこ』は短編集。こないだCSで見た、豊田四郎監督「東京夜話」の原作がこの「ひょっとこ」。『寓話』は、前から欲しかった。これは白水社らいし、いい造本。帰りの電車内で『寓話』を読む。
「文藝」冬号に誤植あり。巻末の執筆者紹介の欄で、ぼくの生年が67年になっている。つまり10歳も若い。不思議なもんですね、いつも57年と思っているのが67年になっているだけで、変な感じ。で、ちょっとうれしいのな。おしまい。