かもめ、かもめ、笑っておくれ

昨日は、トムズボックスの土井さんにインタビュー。これまで何度か顔を合わせながら、ちゃんとおしゃべりしたのは初めて。土井さんは1957年生まれ。同い年だった。57、58年生れの古本野郎のサンプルがまた一人増えた。
今日は、昨夜から続く「サンデー毎日」の原稿を。絵本についての原稿だから、けっこう楽しみながら書いた。アートンから出た、寺山修司下谷二助『かもめ』は、まさに大人のための絵本だ。土井さんと話しているときにも、アートンのSさんの話が出た。絵本編集者として優秀な女性のようだ。あ、それから土井さんの事務所にいるとき、偶然、土橋とし子さんから土井さんに電話があった。電話を代わってもらって「やあ、やあ、やあ」と挨拶すると「なんや、びっくりした。すごい偶然やな」と土橋さん。
高橋徹月の輪書林それから』晶文社、とうとう出る。これは届くとすぐ読み出して、あっというまに半分以上を読んだ。いろいろ引かれた個所は多いのだが(ずいぶん線を引いて、メモを取った)、例えば、人の文章を読んで、なんでもキーワードを「古本」「古本屋」に置き換えて読むところがいかにも月の輪書林らしい。例えば堀切直人さんの文章。
 「物」こそは、人間という徒弟を一人前に仕込む、唯一無二の厳しくやさしいマイスター(師匠、親方)なのである
この「物」を「古本」に置き換える。なるほど。しかり。
今年の「文藝」賞を、十五歳の少女が受賞し話題となっているが、その「文藝(冬)」が届いた。なんでかなあ、と思って、吉田修一特集号を、角田光代対談などを読んでいて、最後にきてわかった。ぼくは種村さんの『雨の日はソファで散歩』の書評を書いたのだ。そうか、忘れていたな。
筑摩の原稿、火星の庭、書きはじめる。
あ、すいません。忘れてました。黒岩比佐子さんの文春新書『日露戦争 勝利のあとの誤算』が出ました。担当編集者はかつて「ノーサイド」「文学界」の名編集者(長)としても名高い細井秀雄さん。後ろ袖に、黒岩さんのプロフィール写真が。「くろいわさーん!」と手を振る。