お帰りは自転車で

ポプラ社から『寝床術』ほか3冊、川本三郎さんから『時代劇ここにあり』平凡社北尾トロさんから『気分はもう、裁判長』理論社など送られる。ありがとうございました。礼状も出さず、心苦しい。どうもこのところ、気持ちの余裕がない。
昨日から、立続けにリレーで本を読みこなす。TBS用にどうか、と桂望実『県庁の星』小学館。県庁のエリート役人が研修で一年間、売れないスーパーへ送り込まれる。予想どおりの展開ながら読ませる。某雑誌のために、3冊つるべ落とし読み。長嶋有『いろんな気持ちが本当の気持ち』筑摩書房徳大寺有恒『眼が見えない猫のきもち』平凡社茂木健一郎『心を生みだす脳のシステム』NHKブックス。つまり「気持ち」ってなんだ、がテーマだ。長嶋有がおもしろいのは読む前からわかっていたが、意外に徳大寺有恒の猫本が読ませる。すぐに書評原稿書いて送付。
日刊ゲンダイの読書日記、送付。これは橋爪節也編著の『モダン道頓堀探検』創元社と、同じ著者の『モダン心斎橋コレクション』国書刊行会を取り上げる。「インビテーション」で前者を取り上げたので、今度は後者を中心に。
そのほか、あちこちから電話、メール、ファクスがあり、ゲラ直しやその他で対応に追われる。文学散歩の原稿で、引用部分をすべて許可を取るから、引用した本の街頭個所をコピーして送れ、と言われる。呆然となる。電話口で「はい」と言えず、しばらくうなる。本当に困った。そんなこと初めて。仕事が終ったら、さっさと本を片付けるため、本探しにまずひと苦労。それから引用部分の該当個所を、付箋を貼っていないものは、またいちから探す。探してコピー。終るとくたくたになる。
午後、娘の自転車を買いにオリンピックへ。去年買った自転車がもう小さくて乗れないのだ。おそるべき成長の早さ。26インチ、大人用の赤い自転車を買う。家まで運ぶのに、娘では危ないので、妻と娘は車で、ぼくが乗って帰ることに。さすが新車、すいすいと走り、けっきょく家に着いたのは、自転車の方が少し早かった。
あちこちの古本講座用のネタ拾いも。長山靖生おたくの本懐ちくま文庫から、コレクターについて、メモを取る。独身、食うや食わず、兄の家の部屋住みで一生サラリーマン生活を送りながら、すべてのお金を国宝級の美術品につぎ込んだコレクターの話が出てくる。
夜、京都の弟から電話。「ミーツ」という雑誌に登場した記事を読んだという。「ミ−ツ」は京都でいちばんよく読まれている雑誌だから、うれしかったと言われる。弟の店も紹介されたし、今回、いっしょに古本屋を回ったライターの女の子も、弟の店をよく知っていた。弟と枚方の話をする。かつて住んでいたところにあった本屋がなくなった、というと、弟は知っていた。父親の墓参りをするついでに、車でよく通るのだそうだ。
夜、バーボンを痛飲。ほんとはいけないのだが、ずぶずぶと沼に沈みこんでいく心境なり。