神保町ふらふら

16日は一日外出。午前9時30分に五反田、夜7時30分に神保町「放心亭」で、アクセスのフェア打上げがある。途中、いったん家へ帰ろうかと思ったが、それもめんどうだ。えんえん神保町で時間をつぶすことになる。五反田、神保町で計23冊を買う。五反田では、谷川俊太郎ショートショート集(和田誠装幀イラスト)『花の掟』理論社が珍しい。200円。あと、月の輪書林の出品で、菊正宗が海外向けに作った和綴じの小冊子が1000円。コミガレでは、森銑三『思ひ出すことども』中央公論社が欲しいために、あと二冊を選ぶのにうんうんうなって長時間を費やす。神田古書会館「紙魚の会」では、洋酒マメ本を三冊、各300円で買う。三冊が函入りだったので、初めて洋酒マメ本の函が手に入ることに。
五反田で村井弦斎『食道楽』岩波文庫解説監修の黒岩「伝書鳩」比佐子さんに会う。このあとお茶、昼飯(黒岩さんに書評のお礼です、とごちそうに)とごいっしょする。年齢書いてもいいかしら、黒岩さん、花の1958年組。つまり同世代。かよわきフリーライター稼業の日々について語り合う。10月に、黒岩さんは、日比谷焼き討ち事件と池辺三山についての本が文春新書から出る。計400枚の原稿を1カ月半で書き上げたという。その集中力と筆力にたまげる。すごい人です。
五反田のときから、今日はいやに臭いやつがいるなあ、と眉をしかめていたが、神保町でふと気づくと自分が来ているTシャツだった。洗濯したてのを着てきたのだが、どうも生乾きで、胸のプリントの部分が臭くなったみたい。今日は長丁場とあって、ちょうど替えのTシャツを持ってきていたので着替える。しばらく自分の身体から匂いがするようで、めげる。
ようやく夜になって、放心亭で畠中さん主宰のフェア打上げ。お馴染みの顔ぶれが10名集まる。2次会まで、まるで学生のコンパのようなにぎやかな会が続き、帰宅したのが1時。3連休明けまでに7本プラス、ラジオの締めきりあり。仕事、仕事、仕事だ。
某季刊の会員誌に、同じテーマで三冊書評するページを持っているが、これが、まず二つぐらいテーマを出し、それぞれについて三冊候補を挙げ、それが編集部で検討され(おうかがいをたてる)、どちらか一つのテーマに決定される。そのとき、今回は向こうから、また出した本とテーマに新たな意向が加わり、再度検討、と仲介する編集者からメールが入ったところでキレた。役所へおうかがいをたてる、という雰囲気で、本選びの労力はまったく考慮されていない。編集者は悪くない(美人だし、気をつかってくれるから会うのは愉しい)。板挟みになって可哀想なぐらいだ。その向こうに、姿の見えない、頭の堅い(悪いといってもいい)鈍重な、えらそうな、顔ぶれが見える。まったく冗談じゃない。仕事を降りることにする(ギャラを三倍もらえれば話は違うが、並みのギャラ)。