ベランダの岸辺

じつは昨日、ブへ行った。隠していたわけじゃない。書くのがめんどうだっただけ。250円のCDを一枚ジャケ買いしたのだが、これが、のっこ「ベランダの岸辺」という。タイトルと、ジャケットのスズキエミのイラストに感ずるところあって買った。さっそく帰りの車のなかで聴く。すると、これがなかなかいいのだ。一曲目の「ベルベット・イースター」はユーミンのカヴァ−。ほか、ボサノバの名曲に日本語の詩をつけたのがあり、あとはオリジナル。詩はのっこ自身が、プロデュースがムーンライダース白井良明で、曲も数曲書いている。詩も曲も歌唱も強烈なものはないが、つまりアピールするには弱いが、まあそこがいい。タイトルの「ベランダの岸辺」という曲はなく、「わすれな草」(これ、いい曲)に出てくる。
 〈風が強く吹くね 大きく揺れる枝の緑がきらきら
 波立つ季節 ベランダの岸辺では
 一緒にいるだけで どこへでも飛べそうね
 風のせいにして 何も聞かない
 ほら、もう日が暮れるよ〉
ね、なかなかいいでしょう? そいで、ジャケットの最後の写真を見たら、これが、つまりレベッカのボーカルだったノッコなんですね。はっきし言って、レベッカには毛一筋の興味もなかったが、あのむやみな元気さが消え、好ましい変身ぶりだ。抑えて歌っている分、情感がよく出ている。250円なら拾い物ではないか。
今日はサンデー毎日。ビッグボックスに寄って、若大将向井くんに、学習院の講座のチラシを古書現世に置いてもらうこと、依頼する。谷口吉郎編『記念碑散歩』文藝春秋500円、松山猛『京都贅沢の発見』朝日新聞社500円を買う。
神保町へ移動。巌松堂店頭で、新書3冊。アットワンダー店頭で、日比野都『天国の父ちゃんこんにちわ』を発見! 東芝日曜劇場で森光子主演ドラマ化の原作なり。315円。へえ、あるところにはあるもんだ。
サンデー毎日終り、いつものコース「ささま」詣で。やっぱり店頭でしか買えなかった。恥ずかしい。
私市保彦『ネモ船長と青ひげ』晶文社、宮川康子『自由学問都市 大坂』講談社選書メチエ、フォスター・ハーシュ『ウディ・アレンの世界』CBSソニーなどを買う。
橋爪節也『モダン心斎橋コレクション』国書刊行会が、彷徨舎経由で届く。『モダン道頓堀探検』より、さらに図像がカラーで入り乱れ、すごい仕上がり。これでもう、ぼくごときがモダン大阪うんぬんと言う余地はないことがわかった。とにかく執念の一冊であります。それがからっと明るいのが大阪的。
ほか、北海道札幌市のおっかさんから北大路公子『枕もとに靴 ああ無情の泥酔日記』寿郎社を贈られる。2001年4月から始まった酒浸りのブログ日誌をまとめた本。
「うちの妹、扇風機のスイッチを入れる時、おねえちゃん、扇風機、くべる? と聞くんだけど、それはとても暑苦しいうえ、使用法間違っているからやめてほしい」など、自虐とユーモアにあふれる日々をつづる。
あ『古本共和国』も届いてます。風呂で座談会を読みました。これ、大事な資料。永久保存です。