今日は高円寺展。どうしようか迷っていたら、武蔵小金井・ネット武蔵野の塩沢さんから電話あり。サトウハチロー『僕の東京地図』を手渡したいというので、これさいわいとお昼をごいっしょすることにして高円寺へ。
30分遅れぐらいで会場に着く。まず土間均一から野呂邦暢『王国そして地図』集英社を150円で拾う。これが今回いちばんの買物か。日高敏隆『春の数えかた』新潮社が100円。中央公論・世界の文学(赤函)のサルトルビュトールは「嘔吐」と「時間割」を収録。なんとなく「嘔吐」は、人文書院に翻訳独占権があるため、全集などには入っていない気がしていた。200円、買っておこう。その他、なかでもごそごそと買う。帰り際で均一を最後チェックしたら上林暁『三人姉妹』小壺天書房が、函に難ありだが300円である。これは『珍客名簿』を、中身そのままでタイトルを替え出したもの。まあ、持ってないんだから買う。おなじみの彰国社建築写真文庫、500円以内ならほしいものたくさんあるが、『美容院と理髪店』が300円だったので買う。「巴里院」というレンガ、タイル外層の大正モダンふうの理容院が、吉祥寺通りを北へ行った「四軒寺」交差店角にあったが(いまはない)、これを見ると下井草になっている。下井草にも同じものがあったのか。
均一でしゃがんでいたらオヨヨさんに挨拶される。「あれ、ヘイ・オン・ワイ、ルデュから帰ってきたの?」というと、「行かなかったんです」という。なんで、もったいない。しかし話を聞くと、「翼の王国」の取材は、トロさんが文章を書くので、ほかの人の旅費や宿代は自分持ちらしい。なんだ、勝手に「うまいことやりやがったなあ」と嫉妬していたのだ。行かない理由を聞くと、「店にクーラーをつけないと、バイトが辞めるというんです」だと。「そんなもん、小林多喜二でも読ませなさい」と言っておく。
帰り、ネット武蔵野で『僕の東京地図』を受け取る。装丁もいいし、カラーページも多く、註も各ページにつき、手のかかった編集がされている。その編集担当者の女性(もと音楽之友社にいた)にも紹介される。塩沢さん、77歳だというが、いつもその情熱、ポジティブ精神に圧倒