銚子電鉄

青春18きっぷが、まったく消化しきれない。家族3人で銚子へ。朝のラッシュにまきこまれ、錦糸町から千葉行き快速に乗った辺りから車内は空く。千葉から銚子へ、途中、電車のなかにオニヤンマが一匹迷い込み、しばらくさまよっていた。銚子の駅前の食堂で昼飯。お刺身定食と天婦羅、ビールを一本たのんだら、これが効いてきて、あと寝不足もなり、モーローとする。
銚子駅前から少し歩いたところに古本屋「アオイ」があり、訪ねてみたが閉店したようだ。もう一軒、銚子電鉄「観音」駅下車に、同観音店がある。家族を毎回巻き込んで申し訳ないが、途中下車して立寄る。しかし、エロ、漫画、文庫が中心の店だった。お土産に均一から清水書院サルトル』を拾う。
犬吠埼灯台に昇り、地球が丸いことを確認する。以前、妻と訪れたのはもう十年以上前か。
往復七時間もの鈍行旅は、やはり疲れる。西荻で下車して丸福でラーメン。ついでに小雨のなか「音羽館」へ。ずいぶん評判になった日垣隆『売文生活』ちくま新書を300円、須賀敦子訳タブッキ『逆さまゲーム』白水社500円。濱田庄司『無じん蔵』講談社文芸文庫850円は、やや高いが、いやこれは見ないし、買っておいたほうがいいと買う。
妻も娘もただ電車に乗ってるだけの旅は疲れたようで、青春18きっぷの旅は一人に限る、と思った。
車中で『快楽殿』読了。まあまあ、こんなものか。モデルとしてすぐ浮かぶあの人、この人にはお気の毒。まったくのフィクションなのだから、こんなに実在の人物と設定を近付けるのは逆に問題があるのではないか、とチラと思った。