リンダリンダリンダ

25日が娘の誕生日。10歳になる。翌26日、家族で吉祥寺へ。バウシアターで映画を観る。娘はアニメ、ぼくと妻は山下「ばかのハコ船」監督の新作「リンダリンダリンダ」を。バウシアターは3つに分かれているのだが、ぼくが観た箱はまるで試写室。客は10人くらいか。「リンダ」は最高に良かった。これまでの作よりストーリーの骨子がはっきりしている分、わかりやすくなっている。高校文化祭を控え、軽音楽部の女子ロックバンドがケンカや怪我で空中分解。韓国人留学生の女の子を引き込んで、ブルーハーツをやることに。ありきたりな青春映画にしないのはもちろんだが、しかし観たあとの感動ははやり青春映画のもの。これは、ぜひ観るべき。もう少し大きな画面で観たかったな。
映画が始まるまでに少し時間があって、藤井書店へ寄る。講談社文芸文庫などあんまり安いので、8冊ほど買ってしまう。桑原武夫『フランス印象記』講談社学術文庫、を買ったのは、このところ、杉本秀太郎のことを書いた、吉岡秀明『京都綾小路通』を読んだり、「ブッキッシュ」の山田稔特集を読んだり、京都学派の流れになっていたからだ。『京都綾小路通』は、杉本のことはもちろん、師にあたる桑原武夫ほか、伊吹武彦、多田道太郎、それに富士正晴山田稔などのことが出てくる。
この夏、娘を連れて京都へ帰省したが、木村衣有子『京都のこころAtoZ』をガイドに、いくつか京都探険をした。柳桜園茶舗鳥獣戯画の絵が入った缶入り番茶を買ったのは、この本のおかげ。京都がだんだん好きになっていく。
京都滞在中は、下鴨古本まつりの初日に娘をちょいといっしょに連れていったほかは、ずっと娘をほうったらかし。三日目には青春18きっぷを使って尾道まで行った。帰りに倉敷で降り、あこがれの蟲文庫へ。田中美穂さん、最高ですね。下鴨古本まつりで掘り出した『蟲』という本を進呈する。尾道行きは、彷書月刊に書くつもり。